米雇用統計,マーケット見通し
(写真=PIXTA)

23日の東京市場は、ドル円相場が114円39銭で始まり、前週のトランプ米大統領の就任演説の内容からリスク回避的な流れとなったことで、113円台前半まで下落した。海外市場では、トランプ大統領がTPP離脱の大統領令に署名との報道から112円69銭まで下落した。

24日の東京市場は、米財務長官に指名される見込みのムニューチン氏から「過度に強いドルは米国経済に短期的にマイナス」との発言があったことを受けて、112円台半ばまで急落した。ただ、海外市場では、トランプ大統領がパイプライン建設推進の大統領令署名を行ったとの報道から、リスクオンとなり、113円90銭まで上昇した。

25日の東京市場は、朝方に114円台を付けたものの、10年債利回りの上昇などから円買いの流れが強まり、113円台前半まで下落した。海外市場でもその流れが続き、113円04銭まで下落したものの、ダウ平均株価が2万ドルの大台を突破したことなどで113円台後半まで値を戻した。ただ、その後はややドル売りの流れとなり、結局、113円台前半でニューヨーククローズとなった。

26日の東京市場は、前日夜間の流れを引き継ぎ、113円04銭まで下落したものの、その後は特段売り込む材料もなかったことで、やや値を戻し、113円台半ばまで上昇した。海外市場では、ダウ平均株価が高値を更新する中で、リスクオンの流れとなり、114円87銭まで上昇した。

27日の東京市場は、日銀の国債買い入れオペ増額から円安方向に進み、一時、115円台を付けた。海外市場では方向感の乏しい展開となったものの、米1月ミシガン大消費者信頼感指数が良好な結果だったことでドル買いの流れとなり、115円台で週の取引を終えた。

今週の為替展望

今週注目される経済指標は、30日から31日の日銀金融政策決定会合および黒田総裁会見、31日から1日のFOMC、31日の12月失業率・有効求人倍率、12月家計調査、12月鉱工業生産、1日の中国1月製造業PMI、米1月ADP雇用統計、米1月ISM製造業景況指数、3日の日銀金融政策決定会合議事要旨、米1月雇用統計、米1月ISM非製造業景況指数などである。

今週の外国為替であるが、日銀金融政策決定会合やFOMCなど日米の金融政策会合が予定されているものの、イエレンFRB議長の会見などがなく、材料に乏しいことを考えれば、注目すべきは米雇用統計だろう。その内容次第で、早期利上げ期待や年3回と想定されている利上げについても変化があるはずだ。

また、テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドはローソク足が、1σ付近であり、週足14週のRSIは、60%程度となっていることから、あまり過熱感は感じられない水準となった。

以上を考慮すれば、日銀金融政策決定会合での国債の買い入れ額の変更や、FOMC声明文の内容など注目すべき点はあるものの、市場の関心はトランプ大統領の動きとなっていることから、影響は限定的であり、雇用統計発表までは方向感の乏しい展開が想定される。よって、中立が妥当だろう。

一方、トランプ大統領のツイートなどには、その内容次第で大きく動く可能性があるため、常に注意を払うべきだろう。(ZUU online 編集部)

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