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(写真=Thinkstock/GettyImages)

儲けたからといって人におごってはいけない

50年以上におよぶ投資歴において利益を出し続けてきた“常勝投資家”山崎和邦氏は、「損ばかりしている投資家には多くの共通点がある」と言います。なかなか儲けられない個人投資家や、これから投資を始めようと考える人にとって、山崎氏の話は耳を傾ける価値があるかもしれません。

勝つために必要なのは正しい「投資習慣」だ

「トランプ相場」のこれからの動きはあらゆる予断を許しませんが、今後の株高を予想するメディアや専門家も多く、株式市場の活況はしばらく続きそうです。この機会に投資を始める人や、積極的に打って出ようという個人投資家も多いでしょう。

しかし、一般の投資家は、情報の量や分析の精度で投資ファンドなどの機関投資家に劣るためそもそも不利であり、継続して利益を出すのはなかなか難しいと言わざるを得ません。株を始めてみたものの儲けが出ない、市場の動きにどう対応していいかわからない、などと悩んでいる投資家も多いのではないでしょうか。

そんな一般投資家にとって頼りになるのは、長年に渡って儲けを出し続けるベテラン投資家の助言です。

50年超の投資歴を持つ山崎和邦氏は、トップ証券マンとして活躍したのち、わずかな資金を元手に個人投資家となり、バブル崩壊やリーマンショックなどの「修羅場」をくぐり抜けながら着実に利益を出し続けてきました。現在は、現役投資家でありながら大学院で実用経済学を教える研究者でもあります。

山崎氏は著書 『投資で勝ち続ける賢者の習慣』 (以下同書)の中で、一般の投資家に向けてこう言っています。

あなたは、正しい分析こそが投資で勝つために必要なことだと思ってはいないだろうか? それは、大きな間違いである。(中略)投資で勝つためには、特殊な運や行動は要らない。必要なのは、確実に勝つための投資習慣のみである。

(まえがきより)

同書の第6章には、長年に渡り多くの投資家たちを観察してきた山崎氏が考える、「投資でいつも損ばかりしている人」の共通点が紹介されています。ここでは、その中から5つの「カネが逃げ出す危険な習慣」を抜き出してみます。なかなか儲けられない投資家はもちろん、これから投資を始めようとしている人もぜひ参考にしてみてください。

カネが逃げ出す危険な習慣

1.儲けた日は、人に飯をおごる

手持ちの株が上がり首尾よく利益が出たとき、「自分の見方は正しかった」と高揚し他人に自慢したくなるのは無理もないことに思えます。しかし、そうした高揚感や陶酔感こそが、他人の意見や自分に都合の悪い情報を無視する、おごった態度を招くのです。

投資結果に一喜一憂しないように、日ごろから平常心でいられるように心がけているか。そしてそれが習慣化されているかが勝負を決めます。

ですから、儲けたからといって興奮し、自己顕示欲を満たしたいあまりについつい周囲にいい顔をして食事やお酒をご馳走するのは、極力我慢したほうがいいでしょう。損を出してしまったとき、ご馳走した人たちがおごり返してくれるわけではないのですから。

2.1つの銘柄にこだわりすぎる

毎日のように四季報を眺めて、これぞという銘柄を見つけたとします。それを毎日追いかけて買いの機会を今か今かとうかがう……。しかし往々にして、そんなことをしている間にその銘柄が上昇して割安でなくなってしまうものです。

このようなことがよくある人は、儲けたいという願望が強すぎて視野狭窄に陥っている可能性があります。相場にのめり込み過ぎ、とも言えるでしょう。精神的にバランスを欠いているので、やがて大損する可能性があります。

投資家たるもの、広く世界を見て、世間も見て、市場以外にも興味と関心を持つべきであろう。

(同書214ページより)

ちなみに山崎氏は大変な読書家で、多くの古典に通じています。そんなことも広い視野を保つことができる要因かもしれません。

3.時間にルーズ

山崎氏は長い投資歴の中で、成功者(賢者)と失敗者(愚者)の違いを興味深く観察してきたそうです。一言で言ってその違いは、成功の頂点にあるときに自分を律したか、すくなくとも律しようとしたか、にあらわれるそうです。

『投資で勝ち続ける賢者の習慣』山崎和邦 著
『投資で勝ち続ける賢者の習慣』山崎和邦 著

これはジョージ・ソロスやケインズといった世界的に著名な投資家にもあてはまります。山崎氏は彼らが過ごした街の市民たちに、彼らの日常生活について取材したそうです。彼らはおごりたかぶることなく、自律的に、そして自由に生きていました。

時間にルーズな人は、自分を律することのできない人と言えます。技術革新によってごく短時間に大きく値が動く今の市場ならなおのこと、時間の感覚がない人は投資で損をすると思って間違いない、と言うのが山崎氏の見方です。

4.理論経済学を机上の空論だと思っている

一般の投資家のなかには、経済学の理論を、実際の投資には役に立たない空論だとして関心を持たない人も多いようです。

しかし、前述したケインズは、偉大な経済学者であると同時に株で大儲けした投資家としても知られています。

理論それ自体は投資の結果に直結しないかもしれませんが、例えば「景気循環論」に関する知識がある人とない人では、毎週発表される景気動向指数の読み方や、投資判断をするための感覚に違いが出ます。

経済学の理論は投資の実践と決して無縁ではありません。

5.相場の格言・至言に関心がない

「株を買うより時を買え」「売り買いは腹八分」などの相場格言は、投資の世界で古くから言い伝えられてきた、投資家たちの精神的なよりどころと言えます(参考 「相場格言集」日本証券業協会webサイト )。

投資に失敗する人は、こうした格言を無視したり、そもそも知らなかったりすることが多いそうです。

いまも残る相場格言は、『聖書』や『論語』が現代にも生きる“ベストセラー”であるのと同じように、何百年もの歴史の検証に耐えてきた言葉です。気づきを得られると同時に投資の世界の奥深さを感じさせてくれます。今まで関心がなかった人も参照してみてはいかがでしょうか。

もっとも、格言や至言がつねに正しいとは限らないのも真実。盲信は禁物、ということも心得ておきましょう。


短期的な投資の結果に一喜一憂せず、投資以外にも広く世の中に関心を持ち、自分を律して自由に生きること。そして、そうした習慣を大切にすること。これが、個人投資家が長期に渡って儲けを出す秘訣のようです。

投資における「賢者の習慣」に学んで、常勝投資家を目指してみませんか?(提供: 日本実業出版社 )

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