バレンタイン,チョコレート市場,関連銘柄
(写真=PIXTA)

バレンタインデーは株価が上昇するというアノマリーがある。これはチョコレートの会社などバレンタイン関連銘柄の話ではない。バレンタインデーの2月14日は日経平均が上がるというチョコレート・アノマリーがあるのだ。ここでは、チョコレート・アノマリーと高級チョコブームを見てみよう。

チョコレート・アノマリーでバレンタインは株が高い

日経平均の「上げの特異日」という言葉がある。理由はよくわからないが、過去の経験則から日経平均が上昇することが多いアノマリーの一種だ。

たとえば、大発会は上げの特異日だ。リーマンショック後(2008年以降)9年間の勝率(日経平均が上昇した比率)は、「QUICKマネーワールド」のマーケットカレンダーによると71%となっている。投資家のポジション整理は年末に終わっており、年初から売る人は少なく、ご祝儀的な買いもあって買いから入る投資家が多いからだろう。リーマンショック後、勝率100%で「負けがない日」も何日か存在する。5月29日、6月21日、9月13日、9月19日、11月14日、12月3日だ。リーマンショック後といえばそれほど相場が順調でもなかった時期を含んでおり、この上げの特異日のアノマリーがなぜなのか。いつまで続くかは注目されている。

2月14日のバレンタインデーも上げの特異日として知られていて、リーマン後の勝率は80%を超える。少し期間を延ばしバブル崩壊後(90年以降)の27年間でも74%となる。この「チョコレート・アノマリー」の理由は定かではないが、男性陣が朝からチョコレートをもらいテンションが上がっているからだという真しやかな都市伝説があり、納得させられてしまう人も多いようだ。

今年はバレンタイン銘柄が動くのか?

東京市場で、バレンタイン関連銘柄が動いたという話を聞かなくなって久しい。バレンタインというイベントは日本全体では定着しすぎており、市場も成熟して伸びも見込めなくなってきている。むしろハロウィンのほうがイベントとしては勢いもあり伸びもある。一部の報道によると、16年の市場規模ではすでにハロウィンがバレンタインを超えたとも言われている。バレンタインは株式市場の材料とはなりにくくなっているのだ。

チョコレートは、総務省の消費統計によると、2月の支出割合が1年の支出の25%ほどに達している。それは季節性の問題であり、チョコレートメーカーなどバレンタイン関連銘柄に特需が発生している訳ではない。株式市場が関連銘柄として注目するためには特需や高成長などのモメンタムが必要だろう。

今年は「バレンタインの逆襲」があるとの見方がでてきた。バレンタインデーは、15年は土曜日、16年は日曜日と2年連続で週末だった。週末だと、義理チョコ需要は確実に減少する。それで伸びが鈍っていた可能性も否定できない。

17年は火曜日と3年ぶりの平日だ。しかも時代は高級チョコレートブーム。海外の高級チョコレートや国内有名パティシエの高級チョコレートの注目度が高まるとともに売れ行きも好調だ。バレンタインは、風習としてチョコを贈るイベントから、「自分へのご褒美」として高級チョコを買い写真を撮ってインスタグラムなどSNSに投稿するイベントへと、確実に姿を変えつつある。

注目が集まる高島屋のイベント「アムール・デュ・ショコラ」

2月2日から5日まで有楽町で世界最大の高級チョコレートのイベント「サロン・デュ・ショコラ日本」が東京国際フォーラムで開催された。連日3000人を超える行列が出来て入場は3時間待ちだったそうだ。

高島屋の高級チョコイベント「アムール・デュ・ショコラ」も話題となっている。高島屋では全国各地で「アムール・デュ・ショコラ2017」を2月14日まで開催中だ。このイベントは今年で17回目を迎える。年々高級チョコの売り上げは伸びてきており、16年は70万人を集め、売り上げは18億円を超えた。

今年は少女漫画界の大名作「ベルサイユのばら」とコラボする。デビュー50周年で作者の池田理代子氏はコラボ特別編を2作書き下ろし、イベントのカタログとアプリで閲覧できる。宝塚の「ベルばら」の主役を演じた鳳稀と池田理代子のトークショーも開催された。「べるばら」限定ショコラも発売しており、今までのチョコレート需要を引っ張ってきた世代より上の、金銭的に余裕のある世代を狙っているようなマーケティング戦略だ。今年のイベント売上は昨年を上回ると見込まれている。

今年は、バレンタインの市場規模だけでなく高級チョコブームといった面でも、バレンタインの逆襲がありそうだ。関連銘柄も久しぶりに活況となる可能性もある。過去のバレンタイン関連銘柄は、森永製菓 <2201> 、明治HD <2269> 、江崎グリコ <2206> 、モロゾフ <2217> 、不二家 <2211> などが代表銘柄だ。

今年は、バレンタイン関連というよりも、高級チョコレートブームでメリットを受ける会社に注目が集まる公算が高い。イベント的に注目を浴びた高島屋 <8233> 、チョコレートメーカーの中で高級志向なモロゾフ <2217> あたりが「バレンタイン関連銘柄2017」として注目されるかもしれない。

※この記事は個別銘柄を推奨するものではなく、投資は各自の責任をもって行っていただきたい

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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