NISA(少額投資非課税制度)の非課税投資枠は、年間120万円で期間は5年間です。NISA口座では投資で発生した利益に対してかかる20.315%の税金がゼロになるため、効率的な資産運用が可能となる仕組みです。
今回、注目したのはNISA口座での株式投資です。限られた非課税枠を活かすには、保有する金融資産の中で「より高いリターンが見込めるもの」を選んで投資するのがおすすめです。どのような銘柄を狙うべきなのでしょうか。
IPO株への投資
一度は挑戦してみたいのが、IPO株(新規公開株)への投資ではないでしょうか。IPO株は一般的に市場の適正価格より低い公開価格で購入できるため、銘柄によっては初値が数倍になることもあります。つまり、公開価格で買って初値で売ると大きな利益を上げられる可能性があるのです。
たとえば、50万円で購入した株を初値80万円で売った場合、通常だと差額の30万円に対して6万945円の税金が引かれ最終的な利益が23万9,055円になってしまいます。これがNISA口座で売買した場合は非課税となるので、30万円がそのまま利益となって手元に残るわけです。
ただし、証券会社のなかにはNISA口座ではIPO株に投資できなかったり、IPO株の取り扱い銘柄数が少なかったりする場合があります。また、NISA口座に限ったことではありませんが、IPO株は競争が激しいため、申し込んでも当選できない場合もあることは念頭においておきましょう。
テーマ株や新興株の成長に期待
IPO株以外で高いリターンを目指すなら、選びたいのはやはり大幅な値上がり益が期待できる株です。注目したいのが話題のテーマ株でしょう。フィンテック関連株はその一例です。たとえば、Apple Payのスタートもあり、スマホでの電子決済のさらなる普及が見込まれることから関連銘柄に注目が集まっています。同様にIoT(モノのインターネット)、およびAI(人工知能)関連株も今後の成長に期待したいところです。
ジャスダックや東証マザースなどの新興市場に上場しているいわゆる新興株も、大化けする可能性があります。気を付けなければいけないのは発行株数が少ないため、ちょっとしたことで価格が大きく変動する可能性があること、そして上場基準がそれほど厳しくないので業績に不安がある場合もあることです。ただし、伸びしろのある銘柄も多いのがこの市場です。東証一部など上位市場に指定替えになると、株価の大幅アップを見込める可能性が大きいといえるでしょう。NISA口座で賢く保有できるよう、こまめに業績や株価をチェックして狙っていきたいものです。
NISA口座で配当利回りを狙うなら、受け取り方法の確認を忘れずに
もちろん、値上がり益ではなく高配当の銘柄を狙うという選択肢もあります。チェックするのは購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるのかを示す「配当利回り」の数字です。一般的には、配当利回りが2〜3%以上が高配当株といわれています。ただし、NISA口座で配当金を非課税にするためには、配当金の受け取り方法を「証券口座への入金」にしておく必要があります。正式には「株式数比例配分方式」と呼ばれ、これによりNISA口座での取引に対する利益だと判断される仕組みです。通常の取引同様に「指定した銀行口座への振り込み」や「郵便局での現金受け取り」にすると課税されるので注意しましょう。
NISAで注意しなければならないのは、最低購入金額が非課税枠の上限を超える銘柄には投資できないことです。たとえば、株価が3万円を超えるファーストリテイリングは100株が最低売買単位ですから、NISA口座の非課税投資枠を超えてしまいます。また、NISA口座では売却した分の非課税枠を再利用することはできないので、数日から数週間といった短期の売買には向きません。
「トランプ相場」の行方を気にしつつ、特定口座の投資内容や他の税制上の優遇制度などとのバランスも考えて、NISA口座で行うべき投資の位置づけを決めていきましょう。(提供: IFAオンライン )
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