日本株投資戦略,20万円以下,3月株主優待銘柄
(写真=PIXTA)

上値の重い展開が続いてきた東京株式市場ですが、足元では株価の上昇が加速する兆しも見えてきたようです。先物・オプションの「メジャーSQ」となった3/10(金)に、日経平均株価は昨年来高値を更新してきました。米長期金利の上昇を背景に円安・ドル高が進んだことが好感され、買いが先行する展開となりました。

そうした中、3月もいよいよ中旬を迎えています。上場企業の多くは3月決算ですので、月末の権利付最終日に向け、株主優待や配当の権利を確保しようとする投資家の動きが「ラスト・スパート」を見せる可能性がありそうです。そこで、今回の「日本株投資戦略」では「3月株主優待銘柄」として投資家が強い関心を寄せている銘柄の中から、配当面での魅力もあり、業績的にも不安の少ない10銘柄を「特選」し、ご紹介することとしました。

20万円以下で買える「日本株投資戦略特選」の「3月株主優待銘柄」10銘柄

今回の日本株投資戦略では投資金額20万円以下で買うことができ、株主優待の権利も受け取ることができる10銘柄を抽出してみたいと思います。株主優待のみならず、平均以上の配当利回りが期待でき、業績が悪化して減配となったり、それにより株価が下落したりするリスクが小さいとみられる銘柄を選び出してみました。スクリーニング条件は以下の通りです。

(1)3月決算銘柄であること
(2)最低投資単位(ここではすべて100株)で株主優待の権利を受け取ることができる銘柄であること
(3)株主優待の権利を受け取る時に最低保有期間等の制限がないこと
(4)予想配当利回りが東証一部の平均(1.64%)以上であること
(5)今期(17/3期)の営業利益が増益予想(会社予想)であること
(6)第3四半期までの営業利益(実績)を勘案し、予想営業利益を達成する可能性が大きいとみられること

これらの全条件を満たす銘柄を、SBI証券の株主優待検索ツールで「閲覧回数順」に回数の多い順から10銘柄並べたものが表1の「20万円以下で買える『日本株投資戦略特選』の『3月株主優待銘柄』10銘柄」です。

一般的に「配当利回り」とは、年間に受け取るすべての一株当たり配当金額を株価で割って求められます。現状で3月決算企業の「予想配当利回り」とは、四半期配当を実施している企業でもない限り、16/9末に実施済みの「中間配当」と17/3末に実施が予想される「期末配当」の両方を受けとった時の利回りになります。

株式投資の魅力は値上がり益を追求できることです。しかし狙い通りにいかず値下がりしてしまうケースもあります。株主優待や配当で値上がり益以外の収益を確保し、総合的な魅力を高めることで、株式投資全体のパフォーマンスを高めることが可能であると考えられます。

なお(6)については、17/3期の第3四半期までの累計営業利益が増益であり、仮に第4四半期が前年同期比で横ばいに減速しても会社予想営業利益を達成できる計算になっている銘柄を選んでいます。この条件を入れたことで、業績的にも不安が少ない銘柄が抽出されている可能性が大きいと考えられます。

20万円以下で買える「日本株投資戦略特選」の「3月株主優待銘柄」10銘柄

「日本株投資戦略特選」の「3月株主優待銘柄」の投資ポイントは?

図1:ミサワホーム(1722)・日足
図1:ミサワホーム(1722)・日足

ミサワホーム <1722>は注文住宅の大手企業です。本年からはトヨタホームの子会社になっています。株主優待については、100株の保有でクオカード1,000円分を受け取ることができる他、自社グループ利用優待券をもらうことができます。自社グループ利用優待券には工業化住宅の建物本体価格1-3%割引、在来木造住宅の工事請負価格2%割引、リフォーム工事代金3%割引等の割引が付きますので、利用の予定がある投資家にとっては、より価値の大きい株主優待になりそうです。
第3四半期までの累計営業利益は前年同期の26億円弱の赤字から9千万円弱の黒字へと改善しています。1月の注文住宅の受注は減少しているようで、一応の注意は必要です。

なお、同じ住宅セクターのサンヨーホームズ <1420>ですが、近畿圏を中心に首都圏、中部圏にも展開しています。100株の保有でクオカード1,000円分を受け取ることができる他、期末に15円の配当が予定(中間配当なし)されており、予想配当利回りは2%を超えています。業績も、第3四半期までの累計営業利益は前年同期の14億円弱の赤字から6億円強の黒字へと大きく改善しています。

図2:朝日放送(9405)・日足
図2:朝日放送(9405)・日足

朝日放送 <9405> は西日本最大手の民放でテレビ朝日系列となっています。100株の保有でクオカード500円分を受け取ることができる他、配当も予想配当利回りが2.44%と表1の銘柄の中でも最も高くなっています。ただ、この配当利回りは中間配当と期末配当の両方を受けとった場合の数字ですので注意が必要です。第3四半期までの累計営業利益は33億円で前年同期比36.8%増です。17/3期の営業利益は0.9%増の予想ですので、ここまでは順調と言えそうです。

図3:トーソー(5956)・日足
図3:トーソー(5956)・日足

トーソー <5956> はカーテンレールで国内シェア50%を握るトップ企業です。最近はインドネシアなど東南アジアを中心に海外展開にも力を入れているようです。100株の保有でギフトカタログ(食品・日用品)を1点選び受け取ることができます。第3四半期までの累計営業利益は前年同期比2.3倍と好調で、今期の予想営業利益9億円(前期比51.5%増)は射程圏内とみられます。

この他、ワンルームマンションの販売を行っているエフ・ジェー・ネクスト <8935> は100株の保有で1,500円相当のカタログギフトを受け取ることができますが、1,000株以上保有ならば株数に応じて自社子会社運営旅館優待利用券(1枚に付き10,000円)を受け取ることができます。総合飲料受託生産で国内大手のジャパンフーズ <2599> は100株の保有株主が希望した場合に自社製品(サイダー・水など)などを送っています。

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

鈴木英之
SBI証券 投資調査部

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