罷免,韓国,弾劾
(写真= Brad Ko /Shutterstock.com)

韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾が妥当され、朴大統領は罷免され、失職した。60日以内に選挙が実施される。韓国初の女性大統領は初めて罷免された大統領となった。在任中は刑事訴追される無い事になっているが、罷免されたため今後は逮捕・起訴される可能性が指摘されている。黄教安(ファンギョアン)首相が次の大統領が決まるまで執務を代行することになる。罷免とはいったいどういうものなのか。

罷免とは 日本の国務大臣が罷免された例

「罷免」とは本人の意に反して職を辞めさせる事。似たようなものに「解任」があるが、これは本人の意に解さず職を辞めさせる事。「更迭」はその人を辞めさせるというより、別の人と交代させる事だ。

日本の弾劾は裁判官などが対象で、首相に対しては国会において衆議院が内閣に対して行う不信任決議がこれにあたるだろうか。とはいえ国務大臣の罷免例は過去に5例ある。憲法第68条に、首相が国務大臣を罷免する事ができると定められている。

1947(昭和22)年、片山内閣の平野力三農林大臣が米価問題とGHQの意向で罷免されている。次に53(昭和28)年、第4次吉田内閣の広川弘禅農林大臣が吉田首相懲罰動議の採決に欠席したため罷免された。さらに86(昭和61)年、第3次中曽根内閣の藤尾正行文部大臣が韓国併合に関する見解の相違から罷免された。

最近では2005年、第2次小泉内閣時代に島村宜伸農林水産大臣が衆議院解散の閣議決定への署名拒否でやはり罷免させられているほか、10年、鳩山由紀夫内閣の福島瑞穂内閣府特命担当大臣が普天間基地移設問題に関する閣内不一致で罷免されている。

過去に罷免されそうになった米国大統領

米国の大統領で弾劾で辞めさせられた例はない。古いところでは1867年に第17代アンドルー・ジョンソン大統領が上院で3分の2に1票足りず辛くも一票差で罷免を免れている。1972年ウォーターゲート事件で有名な第37代ニクソン大統領は弾劾裁判での罷免が必至と予想されていたが、罷免を避けるため辞任届を提出している。第42代ビル・クリントン大統領が1999年に下院では弾劾決議を受けたのだが上院では大差で罷免を免れた例は余り有名な話だ。(ZUU online 編集部)

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