アルゴナビス清水の投資戦略
(写真=PIXTA)

今朝は良い天気で月も綺麗に見えていました。米国株式市場はFOMC(公開市場委員会)での利上げを受けて買われるということになりましたが、利上げをして金利が低下するということで日本では円高を嫌気する動きになりそうです。想定されていたとは言え「材料出尽くし」となったわけで、今度は日銀の態度を見極めるということになるのでしょう。

奇しくもトランプ大統領の円安をけん制するような動きに同調した格好となり、ここでも「アメリカファースト」ということで米国株高を素直に日本の株式市場では好感することもなさそうです。それでもまだまだ円高と言っても限られていますし、金利が低い状況には変わりないのですから、それほど悲観するということもないと思います。高配当利回り銘柄も既に買われているものも多いのですが、改めて見直し買いも入りそうです。

米国株は高いのですが、その要因がドル高回避ということですから、日本市場は冴えない展開になりそうです。為替が大きく円高に振れ、夜間取引やシカゴ市場で日経平均先物が売られたことで手仕舞い売りに押されそうです。日銀の金融政策決定会合でサプライズ的なことがないとさらに手仕舞い売りが加速されるということもありそうです。逆に金融緩和傾向を打ち消すようなことがあれば一気に円高が進んで大きな下落となるのでしょう。引き続き小型銘柄も手仕舞い売りに押されるものが多くなりそうです。

「閑散小動き」となっていたものが「嵐の前の静けさ」ということであった感じです。19,500円~600円水準での値固めという雰囲気もあったのですが、ここで円高を嫌気して売られるようであれば19,500円~600円水準が上値ということが確認されてしまうようで手仕舞い売りに押されて、19,000円水準を試すということもあるのではないかと思います。

本日の投資戦略

懸念された通りになりそうで嫌な感じです。米国では想定通りの利上げということだったのですが、材料出尽くしということで利上げをしたにもかかわらず金利が低下するという状況で、ドル高回避となりました。日本から見ると円高が進む、そしてこれ以上の円安になるにはさらに米国が想定された以上のペースで利上げをするか、日本がさらに緩和を強めるかということになりそうです。これで日銀のスタンスが「従来通り」ということであれば円高に拍車がかかる可能性もありそうです。

膠着感が強いだけに逆に日本から見て米国の利上げで円安になることが期待されていたとすればショック安ということもありそうですし、日銀の態度次第ということになりそうです。十分に円安水準だと考えることもできるのですが、米国が利上げをすることが円安要因と勝手に考えていたとすれば、「想定外」ということになるのでしょう。

清水 洋介(しみず ようすけ)

証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・ アルゴナビス )、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。 メールマガジン も配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

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