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数字のレトリックに注意

「2人に1人はガンになる」のウソ・ホント

「2人に1人はガンになる」「3人に1人はガンで死亡する」など、ガンに関する様々な数字が飛び交っており、どれが正しい情報なのか不安になった経験がある方もいるだろう。しかし、この数字は本当に正しいのだろうか。統計の裏に隠されている真実についてみていきたい。

ガンの罹患率と死亡率は数字のレトリック

ガンによる死亡率については、厚生労働省が発表している「人口動態統計」で調べることができる。2015年の調査結果によると、日本全体の死亡者数は129万444人で、その内ガンによる死亡者数は37万346人となっている 。割合でいうと28.7%になる 。この結果からすると「3人に1人はガンで死亡する」というのは、概ね当たっているといえる。

次に、ガンの罹患率については、国立がん研究センターの調査結果(2012年データ)がある。それによると、男性の生涯ガン罹患リスクは63%、女性が47%となっている 。男女合わせると55%がガンに罹患することになるので「2人に1人はガンになる」というのも間違いはない。

この結果から「やっぱり数字は正しいのか」ということになるが、実は統計的な数字にはレトリックがある。

それは何かというと、ガンに罹患する年齢については何も言及していないということだ。「ガンに罹患するのは2人に1人」であることは事実だが、罹患する時期は高齢になってからがほとんどだという点が抜けている。具体的には罹患率が高くなるのは50代以上で、それ以降急激に増えていく 。したがって、若い人はがガンになる不安を不必要に抱く必要はない。

死亡率についても、国立がん研究センターの2014年のデータによると、現在40歳の男性が20年後(60歳)までにガンで死亡する確率はわずか2%にすぎない。これが30年後(70歳)までにガンで死亡する確率になると7%に上昇する。女性については40歳で20年後(60歳)までにガンで死亡する確率は男性と同じで2%であるが、これが30年後(70歳)までにガンで死亡する確率は4%と男性より低い 。

いずれにせよ、「3人に1人はガンで死亡する」というイメージからすると、とても低い数字に見えないだろうか。

若い人が「ガン保険」に加入する必要性は?

それでは、若い人はガン保険に加入する必要はないのだろうか。データが示すようにガンの罹患リスクが高いのは高齢になってからなので、若いうちは加入せず、高齢になってから加入した方が保険料の節約になるとも考えられる。しかし、保険料はうまくできていて、高齢になるほど保険料は高くなる。

高齢になってから加入すれば加入期間は短くなるが、保険料が高いので結果的に若い時から加入していた場合と総払込保険料はほとんど変わらない。

若い人の場合、ガンの罹患率が低いとはいえ、ガンに罹患する可能性があることを考えると、総支払額が変わらないのであれば、早めに加入して保障を受けた方が得とも言える。

金銭的な面を考えてみるとガンになった場合、仕事が続けられなくなる可能性がある。そうなると十分な給与がもらえなくなるというリスクがあるが、サラリーマンの場合には一定の要件のもと「傷病手当金」が最大1年6か月支給される 。

そのため、急に生活が困るということはない。また、治療費についても「高額療養費制度」があるので、ひと月に何百万円も請求されるということはない 。ガンと診断されたからといって貯金で準備していれば恐れる必要はないというわけだ。

こうした事情を総合的に考えると、お金に余裕があるのであれば、ガン保険に加入する必要はない。ただ、お金に余裕がないのであれば、必ずしも不要とまでは言い切れない。

ガン治療においては先進的治療が多くあり、保険適用でない場合には高額療養費の適用はなく、治療費が高額になるからだ。また、入院中の食事代、差額ベッド代、自由診療費なども高額療養費の対象にはならないので、入院は個室がいいという人はその費用は自分で払わなければならない。

その点、ガン保険に加入していれば、ガンと診断された時点で一時金が支払われ、通常の生命保険の入院給付金に加えてガン保険からも入院給付金が支払われるので十分なお金が確保できる。

ガンは、若ければ若いほど進行が早く、若いことがかえってマイナスに作用する疾病という特徴があるため、若くしてガンになると死亡するリスクも高い。単に確率論では言い切れない怖さがある。せめて経済的不安は持ちたくないということであればガン保険に加入することも1つの選択だと言える。

保険というのは万が一に備えるものであり、めったに保険金が支払われるものではない。死亡保険で考えるとわかりやすいが、若い人が死亡する確率は極めて低い。

それでも多くの人が保険に加入するのは、何もなければそれはそれで良いし、万が一死亡した場合にせめて家族がお金に困らないようにしたいという精神的な意味合いもある。日本人は過剰に保険に入りすぎている傾向があるので、多額の保険に加入する必要はないが、ガン保険は生きるために自分で使える保険なので、無理のない範囲で加入することはよいのではないかと思う。ガン保険に入るタイミングについては、治療のための保険なので、入りたいと思った時に入ればよい。

最近は、ガンの治療技術の進歩は目覚ましく、ガン検査の精度も向上しているので、早期発見、早期治療を行えば不治の病ではなくなってきている。将来的には完全治癒ができる疾病になるかもしれないが、その時は保険を解約すればよいので、それまでは保険でカバーするというのもありだろう。(ZUU online 編集部)

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