コンビニにおむつを置くのは是か非か?子育て世代を巻き込んでTwitter初めネット上で大論争になった。おむつは必需品、なのにコンビニには何故置いていなの、というのが「是」を代表する消費者の声である。「ニーズがつかめない」などが「非」の背景にある論理である。

「コンビニにおむつを」のTwitterが大論争に

コンビニは日用品の購入だけでなく、宅配便の受け取りや公共料金の支払い、写真のプリントなどもでる。まさにコンビニエンス(利便性)があり、日常生活に欠かせなくなって久しい。

今回の論争の発端は3月12日ごろ、「おにぎりやお茶のように、オムツや粉ミルクも買えるようになって欲しい」との主旨のツイートで始まる。すかさず別のユーザーが「コンビニはエロ本売らずにおむつを売れ!」と、やや刺激的なハッシュタグを付けたから止まらない。たちまち賛否両論のツイートが過激になった。

当初の意図とかけ離れた?

ほかにも、「同意。都会だと子供用おむつさえ売っている」、「おにぎりやペットボトルのお茶、生理用ナプキンがどこのコンビニでも買えるように赤ちゃんのオムツやおしりふき、ミルクも買えるようになって欲しい」、「片方の利便性を求めるなら、関係ない片方(エロ本と思われる)の封殺を理由にするのはいけない」などと続く。

つぶやいた本人の意図からはおそらくは離れたかっこうで、Twitter上での議論はおむつかエロ本かの是非に傾いていった。

「都会だとドラッグストアですら子供用オムツ売ってないことあるもんね」と、おむつとコンビニの議論なら良かった。それがあっという間に、成人雑誌が陳列されていることへの批判に矛先が向く。「誰でも入れる店に性的な雑誌があるのは不快。エロ本は大人向けの専門店で販売すればいいし、コンビニは生活必需品を優先して販売すべき」、「エロ雑誌が好きな読者は、別ルートでの販売を発行元に要請して欲しい」などと横道に反れた。

元コンビニ勤務者は「おむつの回転率はエロ本以下」とツイート

多くのコンビニの生活用品コーナーにはすでに、生理用ナプキンやコンタクトレンズ洗浄液、下着、コンドームなどを置くコーナーがあり、急な需要に困らない商品がそろっている。元コンビニ勤務者は「おむつの回転率はエロ本以下」とツイートする。

おむつの市販価格は、ドラッグストアにある大量サイズMとLでは、1枚当たり10-20円そこそこ。一方同じサイズで、自動販売機で買うと1枚100円もする。コンビニ向けの数枚入り小型パックを生産するなら、1枚10-20円で済まない。コンビニ用小型パック(2枚入り)をすでに販売しているメーカーの販売価格は。自販機同様1枚100円前後になる。

コンビニが誰にとっても身近で必要不可欠な存在だからこそ起きた論争。ことに「おむつ」という子育て世代が欲しがる(逆に言えば他の世代は欲しがらない)ものだったことや、Twitter上という場所であること、「エロ本」という面白おかしくツイートしたくなる人の多そうなものとの比較など、騒動に発展する要素がたくさんあったように思える。

コンビニが限られたスペースに、ニーズに合う賞品を並べるのは当然である。一方1人でも多くの消費者のニーズに応えるのが、コンビニの社会的責任とも言える。そのギャップをどのように埋めるか。時代が変われば変わる、常に考え続けなければいけない問題だ。容易に解決できないこの問題について、考える契機となっただろうか。(ZUU online 編集部)