日本の酒、特に清酒を売り込もうと政府や関係者が知恵を絞っている。国内で外国人旅行客などを対象にしたい酒蔵ツアーを実施したり、日本産酒類の輸出促進連絡会議を開催して清酒、焼酎、ワイン、泡盛の輸出促進に向けた新たな指針を決定したりしている。

クールジャパンで「酒蔵ツアー」

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(写真=Matee Nuserm/Shutterstock.com)

日本酒業界は、清酒に興味を抱く外国人観光客を誘致するためここ数年、「酒蔵ツーリズム」を実施している。温泉旅館の1泊バスツアーを企画して、観光客をまず付近の酒蔵見学に招き、ほろ酔い気分の客を温泉に送り込むという企画である。

政府は10年前ごろから、「日本文化産業戦略」いわゆるクールジャパン戦略を進めて、日本の魅力を再認識・再評価させて、文化産業から経済的な利益を得るとともに、ソフトに日本の価値を世界に発信している。酒蔵ツアーもその一環だ。

JTB初め国内の旅行代理店が、そのようなツアーを売り出したのは数年前から。アメリカ、中国、あるいは韓国、オーストラリアからの観光客が利用する機会が増えているという。

清酒の輸出量は右肩上がり