大統領候補であったトランプ氏による様々な過激発言で、日本でも関心が高かった2016年の米国大統領選挙。大方の予想に反して民主党のクリントン氏を破り、共和党トランプ大統領が誕生した。ドナルド・トランプ氏とはどのような人物なのか、大統領としてどのような政策を打ち出すのか、トランプ大統領について解説する。

米国の不動産王ドナルド・トランプとは何者か

TRUMP
(写真=Ailisa/Shutterstock.com)

ドナルド・トランプは不動産会社を経営していた父親の事業を引き継ぎ、今ではホテルやゴルフ場を多数所有する実業家である。ニューヨークや米国内外にある不動産にはトランプパルク、トランプパレス、トランプワールドタワーなど「トランプ」の名が冠されている。

トランプタワーには世界でもトップクラスの面積を誇るグッチのショップが入り、52階建てのトランプインターナショナルホテル&タワーズは米国でもハイクラスな販売価格と賃貸料で、高級スーパー、高級ホテルと住宅などで構成されている。不動産事業はアメリカを中心に、トルコ、パナマ、カナダ、フィリピン、インド、ウルグアイなど幅広い地域に展開している。

トランプ氏は不動産だけでなく、フレグランスやネクタイ、家具やマットレスなどの販売も手掛けている。不動産王とよばれるトランプ氏、事業開始時から順風満帆かというとそうではない。2008年のリーマン・ショックでも経営が悪化し、破産法の適用を申請している。大きな失敗から何度も復活した経験で米国経済をどのように導くか、今後に注目だ。

トランポノミクスとは

トランポノミクス(trumponomics)とは、トランプ(trump)とエコノミクス(economics)を組み合わせた造語で、トランプ氏の経済政策を指す。日本でも「アベノミクス」という言葉をよく聞くが、同じく安倍首相の経済政策を指す。トランポノミクスの主な柱を列挙すると、

1. 大幅減税
2. 大規模なインフラ投資
3. 規制緩和
4. 排他的な移民政策
5. 保護主義的な通商政策

が挙げられる。1は法人と個人に対する大型の減税を指す。2では大規模な公共投資を行って、景気を下支えするという。2017年1月に行われた大統領就任演説では「このすばらしい国(米国)の隅々に新しい道路、橋、空港、トンネル、鉄道を建設する」と発言している。3では金融業界やエネルギー業界を中心に規制緩和を行う予定だ。トランプ氏はドッド・フランク法の縮小・廃止を主張している。ドッド・フランク法はオバマ大統領の署名によって成立した金融規制だ。トランプ氏は、ドッド・フランク法による過度な金融規制が米国の経済停滞の原因と見ているようだ。

米国の主要3株式指数が最高値を更新し続けている(2017年2月現在)のは、この1、2、3に期待しているからだ、という意見が多い。トランポノミクスの「光の部分」といえよう。1と2は財源の問題があり、3は世界同時金融危機の反省から根強い反対が予想されるが、特に1は共和党の党是である「小さな政府」の方針にも沿うので、当初の金額通りかはさておき、実現の可能性が高いといわれている。

反対にトランポノミクスの「影の部分」といえるのが4と5だろう。メキシコに対しては物理的な壁と経済的な壁を作るとの発言を続け、当選前は一種のパフォーマンスかと思われたファイティングポーズを現在も下ろしていない。多額の貿易赤字を米国にもたらしている中国、日本、ドイツへの強行姿勢も崩していない。

今後はトランポノミクスの「光の部分」と「影の部分」が綱引きし、それに呼応して金融市場が好感したり、混乱したりすることが予想される。また、自由奔放な言動が特徴であるトランプ大統領であるからこそ、その一言一句にとらわれず、投資家は経済指標を今まで以上に丁寧に追って、実体経済を把握することが重要だろう。

トランポノミクスでソーシャルレンディングが活性化?

大統領就任演説でトランプ氏は「私たちは2つの単純なルールに従う。アメリカ製の商品を買い、アメリカ人を雇うことだ」と発言した。トランプ氏の「米国第一主義」が米国経済および世界経済を成長させる可能性は確かにある。世界最大の経済大国である米国が好調になれば、世界経済もその恩恵を受けることができるからだ。

世界的に景気が回復すれば企業の業績が向上し、設備投資に意欲を見せるだろう。設備投資による資金需要が高まれば、金融機関では対応できない分野での資金需要も追随して大きくなり、ソーシャルレンディングの利用増加が見込まれるかもしれない。(提供: みんなの投資online

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