日本版メイヤーの設置

「東京金融シティ構想」では、国、東京都、民間の連携が必要であると説明しており、東京にもロンドンのシティを統治する「ロード・メイヤー(市長)」の様な、日本版メイヤーが設置されるべきだと提案しています。提案では、ロンドン・シティのメイヤーに倣い、対外広報担当者と専門シンクタンクの設立も必要としています。メイヤーはロンドンの金融街シティの顔として、海外金融機関を招致する活動をしています。このような活動を行う日本版メイヤーを置き、海外に東京金融シティを訴える役割を課すべきであるとします。同時に2020年の東京五輪・パラリンピック準備に併せて、海外の人材が住みやすい街作りも目指すべきだとしています。そのためにも、複数の通貨で取引ができるインフラの整備も進める必要があるとします。


国際金融都市としての遅れ

大和総研の武藤敏郎理事長は、東京が国際金融都市としてはニューヨークやロンドン、シンガポール、香港に水をあけられていると述べ、東京の金融機能強化の必要性を訴えています。また、杉田亮毅・日経センター会長も、東京をアジアの金融センターにする最後のチャンスであることを強調しています。さらに舛添要一知事も、ニューヨークのウォール・ストリートやロンドンのシティと並ぶものを東京に作りたいと語り、金融の専門部隊を立ち上げて、銀行、証券、損保、生保といった業界からヒアリングし、大胆な提案を行っていくことを強調しています。実際、東京は金融センターとしては遅れています。英シンクタンクZ/Yenグループが2007年3月から金融センターの国際競争力を調査して指標として公開していますが、2014年3月に公開された第15回目の発表となる世界金融センター指数は以下の順位となっており、東京は6位止まりとなっています。

1位:ニューヨーク:786ポイント

2位:ロンドン:784ポイント

3位:香港:761ポイント

4位:シンガポール:751ポイント

5位:チューリッヒ:730ポイント

6位:東京:722ポイント

共同提言: 『東京金融シティ構想の実現に向けて──金融資本市場の活性化を成長戦略の柱に』

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