女性のキャリアをはばむ、見えない壁を調査したところ、日本は28カ国・地域中 、27位となった。

これは、英エコノミスト紙がOECDやEU委員会、米サービス企業、MSCIを含む複数の機関から収集したデータに基づき、毎年作成しているもので「Glass-Ceiling Index」 という指数を算出している。

最新の2017年版における日本女性の労働環境は、OECD加盟国の平均(60ポイント)を大きく下回る45ポイント。80ポイントを超えているアイスランドやスウェーデンのおよそ半分のスコアで、韓国に次ぐワースト国2位となった。

女性の労働環境ベスト10カ国

男女格差,キャリア,労働
(写真=Thinkstock/Getty Images)

1位 アイスランド
2位 スウェーデン
3位 ノルウェー
4位 フィンランド
5位 ポーランド
6位 フランス
7位 デンマーク
8位 ベルギー
9位 ハンガリー
10位 カナダ

女性の労働環境ワースト10カ国

19位 米国
20位 ギリシャ
21位 英国
22位 イスラエル
23位 オランダ
24位 チェコ共和国
25位 スイス
26位 トルコ
27位 日本
28位 韓国

キャリアへの下準備段階で出遅れている日本女性

インデックスでは「高等教育」「GMAT(経営大学院の入学適正テスト)受験者率」などの教育面や、「労働力率」「男女の賃金格差」「産休手当や育児休暇手当」といった労働条件面に加え、「管理職、役員職、議員職に就いている女性の割合」「保育費」を指針とし、OECD加盟国の女性がキャリアを築く環境を評価している。

日本の評価を大きく引き下げたのは、女性がキャリアを築く環境の未熟さだろう。「GMAT受験者率」「議員職に就いている女性の割合」は最下位。日本男性と比較してGMATを受ける女性の割合は21.6%、議員の割合は9.5%と極端に少ない。

「男女の賃金格差」「管理職、役員職に就いている女性の割合」は27位。女性は男性より25.9%も給与が少なく、管理職の割合は12.5%、役員に至ってはわずか4.8%まで落ちこむ。
「高等教育」も19位と評価が低いが、こちらは男性と同等の割合であることから、日本女性はキャリアの準備段階では特に男性よりも出遅れているというわけではなさそうだ。しかしその後著しい格差が生じ、結果的に「労働力率」が25位と男性よりも18.2%低くなっている。

育児休暇は世界トップレベル?

しかし「産休・育児休暇手当」では女性が9位、男性が1位と一転する。厚生労働省の調査によると、2015年度の女性による育児休業取得率は81.5%、男性による育児休暇取得率 は過去最高の2.65%に達している。
数字と現実との差はあれど、エコノミスト紙の統計によると、日本の女性は年間38.5週間相当、男性は30.4週間相当の育児休暇を取得していることになる。

「保育費」は18位で平均所得の21.7%を占める。保育費が所得を占める割合が最も低いオーストリアなどと比較すると7倍だが、英国などの2分の1以下だ。

日本の女性が公平に、希望をもって労働に打ちこめる環境創りには、根本から「キャリアを妨げる壁」を打ち砕く働きかけ必要だろう。男女格差だけではなく、近年世界中で拡大しているスキル格差の縮小や労働市場における女性の権利の確立など、政府や企業、そして女性自身が取り組むべき課題は山積みである。(アレン琴子、英国在住フリーランスライター)

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