相次ぐ大きな地震の発生により、地震保険が2017年1月に大きく改定されています。このため、保険料が従来よりも値上がりしました。改定を踏まえ、どのように保険の見直しをすればいいのでしょうか。

地震保険はどのように改定されたの?

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(写真=PIXTA)

地震保険の改定率は、都道府県や建物の構造によって異なります。しかし、多くの場合で保険料が引き上げられることになりました。なぜ、保険料が値上がりしているのでしょうか。

地震保険の保険料は「損害保険料率算出団体に関する法律」に基づいて、損害保険料率算出機構が算出した「地震保険基準料率」を使用して計算されています。この「地震保険基準料率」が大きく引き上げられたために、地震保険料が値上がりすることになりました。

「地震保険基準料率」が引き上げられた背景としては、震源モデルの見直しをはじめとした各種基本データの更新、「地震保険に関する法律施行令」の改正による損害区分の細分化、地震保険制度に関するプロジェクト会合のとりまとめがあげられます。これにより、全国平均で5.1%の引き上げが実施されることになりました。

地震保険は、損害の程度に応じて保険料が算出されます。従前までは全損100%、半壊50%、一部損5%という3区分でしたが、今回の細分化によって、全損100%、大半壊60%、小半壊30%、一部損5%と、中間の半壊について分けられることになりました。より損害の実態に即した損害区分にするのが望ましく、損害査定の迅速性を確保するために細分化されました。

地震保険はどういう場合に加入すべきなの?

地震保険は単独で加入することができない保険です。火災保険とのセット、火災保険の特約として加入することが必要になります。

● 公的補助として被災者生活再建支援法に基づく支援金が支給される
地震によって建物が壊れてしまった場合、被災者生活再建支援法に基づく支援金が合計300万円ほど支給されることになります。

● 基本的に倒壊しても建て直しなどは自己負担
地震が発生し持ち家が倒壊してしまった場合、住む家がなくなってしまいます。しかし、この倒壊に対する責任は誰にもありません。支援金はあるものの自己負担で建て直すか新たに家などを購入する必要があります。このような場合に建て直すことができるかどうかによって、地震保険に入るべきかどうかを判断することが必要です。

● 住宅ローンがかなり残っている場合は加入すべき
たとえば、住宅ローンの返済の金額が多く残っている場合、地震によって倒壊してしまっても住宅ローンは支払い続けなければなりません。金銭的に建て直すことは難しくなるばかりか、賃貸住宅を借りることも経済的に厳しい状態になります。

地震保険に加入しておけば、一定の金額が支給されることから、建て直すことが可能になってきます。住宅ローンを返済し、賃貸物件を借りて当面暮らしていくことも可能となります。

● 分譲マンションの場合は?
分譲マンションは自己所有にあたります。状況によっては、所有者が共同で建て直すことや修繕することが必要となるかもしれません。資金が十分準備できている場合でない限りは、やはり備えておくことをおすすめします。

● 賃貸物件に住んでいる場合は家財の保障を
賃貸物件に住んでいる場合は、その建物が倒壊したとしても他を借りればいいのですが、家財をカバーする保険に加入することが可能です。

具体的に検討してみよう

住んでいる自宅が倒壊した場合、預貯金などで建て直すことは可能でしょうか。具体的に自身の経済的状況を分析して、地震保険に加入するかどうか検討してみることをおすすめします。

近年、地震が少なく安全といわれていた場所で大きな地震が発生しています。どこでも大きな地震は起こり得るものとして検討しておくことが必要です。(提供: 保険見直しonline

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