日経平均予想レンジ 19,668 ~ 20,012 円

今週は、大型連休前に警戒された海外イベントを無難に通過した。米経済の減速懸念の和らぎからの米国株高、円安進行に加え、欧州政治リスクの後退など外部環境改善を受けて日経平均は2015年12/2以来の高値水準19,989円まで買い進まれた。

海外の焦点

米国では、4月雇用統計が21.1万人増と予想を大きく上回ったほか、失業率が4.4%と10年ぶりの水準に低下した。足元で浮上していた米経済の減速懸念が後退し、6月初旬に公表する5月雇用統計などを見極めて追加利上げの最終判断をすることとなりそうだ。ただ、市場では、FOMCや仏大統領選を終え、企業決算も峠を越える中、6月利上げは織り込み済みで、相場が動く材料にはなりにくいとの見方が広がりつつある。

こうした中、米下院は4日の本会議でオバマケアの代替法案で可決した。上院でも可決となれば、トランプ大統領の最重要公約が実現することとなり、市場へのインパクトは大きい。しかし、上院では「下院を通過した法案を修正しなければ同意しない」とする議員は多いだけに、党内の調整難航が想定される。また、トランプ大統領がコミーFBI長官を電撃解任したことによる政治的混乱への懸念も強い。

注目の仏大統領選の決選投票で中道系候補のマクロン氏が勝利した。今後は6月に行われる国民議会に関心が移る。マクロン氏率いる新党が社会党・共和党を上回る過半数を獲得しなければ政権運営はままならず、最初の関門となる。

国内の焦点

国内では主要企業の決算発表が本格化する中、EPSは3月末の1,220円から1,303円(5/10)に拡大し、円安に伴う業績改善で投資家心理の一段の高まりが期待される。この先、EPSが1,320円付近に上方修正される可能性を考慮すると、足元のPER15,5倍で20,460円、16倍まで買われれば21,120円となる。

テクニカル面では、各移動平均線は全て上向きに転じ、中期上昇相場を示唆している。目先的には、4/17安値18,224円から5/11高値19,989円まで1,700円超の急上昇で短期的な高値警戒感が強まっているが、もち合い放れから上値挑戦への踊り場形成と捉えている。

来週の株式相場

以上、来週はさらなる円安進行など外部環境の改善を背景に、高値圏での値固めのあと2万円を試す展開と見ている。日経平均のレンジは、上値は12/1高値20,012円が目処となり、下値は、3/2高値19,668円が意識される。

株式見通し5-12

伊藤嘉洋
岡三オンライン証券 チーフストラテジスト