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今日は株主投資に関連して、お得な株主優待制度を見据えたNISA制度の活用方法について述べさせていただきたいと思います。株主優待制度の利用も考慮して株式投資をされれば、投資のメリットが大きくなります。NISAをご検討中の方、株式投資をお考えの際にご参考になれば幸いです。

NISA(ニーサ/日本版ISA)で始める株主優待制度とそのメリット

株主優待制度は、上場会社などで一定数以上の株式を保有している株主に対して、会社のサービスを提供する制度です。例えば、遊園地を経営している会社の株を会社が決めた一定数以上保有した場合、経営している遊園地の無料入場券を提供してくれるようなサービスが株主優待制度の典型例です。株主優待の制度は、サービスを提供することで会社に興味を持ってもらい投資を促すとともに、会社に対する出資者である株主への会社からの感謝の現れの制度ということができます。

この株主優待制度は大変お得であり、ご自身の楽しみ・家族へのサービスなどで利用できるほか、金券ショップやインターネットオークションなどでサービス券を売却すれば通常の剰余金の配当以上の経済的利益を得ることが可能となります。株主優待制度を導入している会社の株式は、純粋な株価以上の価値を含んでいる場合もあり得ます。

NISA(ニーサ/日本版ISA)で株主優待制度がある会社の株式を購入することのメリット

ところで、株式投資をされる際には、株主優待制度付きの株式をNISA口座で購入することがおすすめできます。2014年1月からスタートするNISA制度は、NISA口座から生じた利益については非課税とされる制度です(ただし投資元本100万円までの部分から生じた利益に限られます)。株式投資は一般にハイリスク・ハイリターンの金融商品と言われますが、これは主として売却益を目指す場合に該当します。つまり、株式投資は、商機を見計らって安い値段の時に買い付けて株価が高騰した時に売却するというのが基本的な利益獲得モデルです。ただ、株価は様々な経済事情・政治情勢などで刻々と変化し続けるため、買い時・売り時の商機を見計らうのが非常に難しいため、ハイリスク・ハイリターンということになります。

しかし、株式の売却による利益ではなく、剰余金の配当による利益を考え、中長期的に株式を保有するのであれば、あまり株価の変動を意識する必要はありません。そして、NISA口座で株式を購入しておけば、課税されずに剰余金の配当を受けることが期待できます。即ち、利益配当の仕組みを単純化した場合、通常であれば、

「配当額-税金=手元に残る利益」となるところ、NISA口座で株式を保有すれば、「配当額=手元に残る利益」ということになります。さらに、株主優待制度も加味すれば「配当額+株主優待の売却利益など=手元に残る利益」ということになり、さらにお得となります。もちろん、景気の低迷などで一時的に剰余金の配当を受けることができない場合などもありえます。また、株式投資の最大のリスクとして会社倒産によって株式が紙切れとなってしまうというリスクも否定はできません。あくまでも株式はハイリスク・ハイリターンです。しかし、誰でもが知っているような著名な会社(例えば東証一部上場など)であれば、景気の変動などによる利益減少のリスクは軽減することができます。

そのような会社に投資をすることで、配当利益と株主優待の利益を非課税で受けることを狙うという投資方法も一つの方法としてはいかがでしょうか。このようにNISA口座を利用して株主優待制度がある会社の株式を購入するということもおすすめできる投資方法です。

NISA(ニーサ/日本版ISA)と関わる様々な株主優待制度

では、具体的にはどのような企業が、どのような株主優待制度を導入しているのかをご紹介していきたいと思います。

(1)まず、飲食関係では、吉野家ホールディングスやコカ・コーラ・ボトリングス、マクドナルドホールディングスの株式がおすすめできます。
これらの企業の株主優待制度の内容は、もちろん、それぞれの企業の食事のサービス券です。食事のサービス券は、ご自身やご家族で利用されることももちろん、インターネットや金券ショップで売却することも可能です。

(2)次に、娯楽・レジャー系のものとしては、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーを運営するオリエンタルランドの株式が代表的です。
ディズニーランドやディズニーシーで利用できる1デーパスポート(1日利用券)をもらうことができます(ただ、オリエンタルランドは基本的に株価が高い点は注意したい点です)。また、オリエンタルランド以外にもカラオケで有名なシダックスなども株主優待制度を設けています。

これら娯楽・レジャー系の株式優待制度は、家族サービスなどでも利用できるほか、売却による利益も大きいものとなります。このように株主優待制度を楽しみつつ、株式投資をするということも投資を楽しむ一つの方法としておすすめできます。NISA口座開設に合わせて一度株主優待制度がある会社の株式購入もお考えになられてみてはいかがでしょうか。さらに、株主であれば、もちろん、持ち株数に応じて会社の経営に参加することができます(株主総会における議決権)。興味のある会社に投資をして会社の経営に参画するということは、本来の会社のあるべき理想的なモデルです。優待制度を利用しつつ、会社のあるべき姿に寄与するという社会的な役割も果たすことにつながります。

photo credit: Marty.FM via photopin cc