2000年にWHO(世界保健機構)が提唱した健康寿命という考え方への関心が高まっている。健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間であると定義されている。

何歳まで生きられるかという平均寿命に対して、何歳まで健康でいられるかというのが健康寿命なのだ。平均寿命と健康寿命とを比べることで、健康で過ごせる期間と健康上の理由で日常生活が制限される健康でない期間も計算することが可能だ。そこで今回は健康寿命の都道府県別ランキングを男女別で紹介する。2010年における各都道府県の健康寿命をランキング化したものだ。

都道府県別「健康寿命」ランキング

高齢化,ランキング
(写真=imtmphoto/Shutterstock.com)

順位 男性(年) /  女性(年)

47位 青森 68.95 / 滋賀 72.37
46位 高知 69.12 / 広島 72.49
45位 長崎 69.14 / 大阪 72.55
44位 大阪 69.39 / 福岡 72.72
43位 岩手 69.43 / 徳島 72.73

42位 愛媛 69.63 / 香川 72.76
41位 岡山 69.66 / 東京 72.88

40位 福岡 69.67 / 奈良 72.93
39位 大分 69.85 / 長崎 73.05
38位 香川 69.86 / 埼玉 73.07
37位 徳島 69.90 / 兵庫 73.09
36位 新潟 69.91 / 高知 73.11
35位 兵庫 69.95 / 大分 73.19
34位 福島 69.97 / 北海道 73.19
33位 東京 69.99 / 鳥取 73.24
32位 北海道 70.03 / 岩手 73.25
31位 鳥取 70.04 / 青森 73.34

30位 広島 70.22 / 和歌山 73.41
29位 佐賀 70.34 / 岡山 73.48
28位 奈良 70.38 / 京都 73.50
27位 宮城 70.40 / 千葉 73.53
26位 京都 70.40 / 三重 73.63
25位 和歌山 70.41 / 佐賀 73.64
24位 島根 70.45 / 山口 73.71
23位 秋田 70.46 / 新潟 73.77
22位 山口 70.47 / 宮城 73.78
21位 熊本 70.58 / 熊本 73.84

20位 富山 70.63 / 山形 73.87
19位 埼玉 70.67 / 愛媛 73.89
18位 滋賀 70.67 / 秋田 73.99
17位 栃木 70.73 / 長野 74.00
16位 三重 70.73 / 福島 74.09
15位 山形 70.78 / 岐阜 74.15
14位 沖縄 70.81 / 富山 74.36
13位 岐阜 70.89 / 神奈川 74.36
12位 神奈川 70.90 / 山梨 74.47
11位 宮崎 71.06 / 福井 74.49

10位 群馬 71.07 / 鹿児島 74.51
9位 石川 71.10 / 石川 74.54
8位 福井 71.11 / 宮崎 74.62
7位 鹿児島 71.14 / 茨城 74.62
6位 長野 71.17 / 島根 74.64
5位 山梨 71.20 / 栃木 74.86
4位 茨城 71.32 / 沖縄 74.86
3位 千葉 71.62 / 愛知 74.93
2位 静岡 71.68 / 群馬 75.27
1位 愛知 71.74 / 静岡 75.32

全国平均は男性70.42歳、女性73.62歳

各都道府県の健康寿命と同時に全国平均の健康寿命も公表されているのでこちらも紹介する。2010年の健康寿命の全国平均は男性70.42歳、女性73.62歳であった。

都道府県別のランキングを見てみると、男性のトップが愛知、女性のトップが静岡であった。愛知は男性1位のみならず、女性の3位にもランクインし、静岡も女性1位に加え男性2位と男女ともにトップクラスの健康寿命となった。その他上位の都道府県を見てみると茨城や鹿児島、石川、群馬などが男女ともにトップ10に入っている。

一方今回のランキングで順位の低かった県は、男性が青森、女性が滋賀と、それぞれ最下位となった。残念ながら男女共にワースト10であった都道府県は長崎、大阪、福岡、香川であった。

代表的な3大都市圏のある都道府県を見ると、東京は男性が33位、女性が41位や大阪が男性44位、女性45位と男女ともに比較的下位である一方、名古屋のある愛知県は男性1位、女性3位と男女ともに上位であった。

1位の都道府県と最下位の都道府県の健康寿命の差を計算すると、男性1位と最下位では2.79年の差があり、女性1位と最下位では2.95年の差があった。

今回ご紹介した健康寿命の全国平均が男性70.42歳、女性73.62歳であったのに対し、最新の平均寿命は男性が80.79歳、女性が87.05歳となっている。健康寿命と平均寿命の差が男性10.37歳、女性13.47歳と男女ともに10年以上の隔たりがあることが分かる。健康寿命と平均寿命との差は健康でない期間とも言いかえることができる。残念ながら現在は男女ともに10年以上の健康でない期間が存在するといえる。

健康寿命を延ばそうという今後の取り組み次第では健康寿命が延び、平均寿命との差が減少する可能性もある。ぜひ今後は健康的な老後を迎える為に平均寿命だけでなく健康寿命の延びにも期待したい。(右田創一朗、元証券マンのフリーライター)