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リスク管理力=手じまい力

FXなどの証拠金取引は、レバレッジをきかせた取引が可能です。その分だけ利益も損失も大きくなり得る「ハイリスク・ハイリターン」な金融商品です。レバレッジのきかせ方次第で、やや大きめに相場が動くだけで、資産が1.5倍になったり半分になったりする可能性もあります。

極端な例で考えてみましょう。

国内のFX業者の場合、レバレッジは最大で25倍です。
1$=100円でドルを買った場合、4円の円高で証拠金がゼロになってしまいます。
通常は、強制ロスカットルールを業者が設定しているでしょうから、まずここまでのことにはなりません。それでは、証拠金維持率50%で強制ロスカットとなる場合で考えてみましょう。
2円の円高でロスカットになり、証拠金(=資産)が半分になってしまうのです。大きく変動するときは、半日で1円動くこともあります。油断しているとあっという間に資産を失ってしまいかねません。ちなみに、法人としてFXを行う場合や、海外のFX業者で口座を開設した場合などは、スプレッド100倍も可能です。50銭動いただけで強制ロスカットもあり得ます。もう、想像するだけで寒気がしそうですね。だからこそ、FXではリスク管理が重要なのです。そして、リスク管理をする上で最も必要なのが、手じまいをする能力です。

初心者に一番ありがちなのが、「もう少ししたら戻るだろう」とタカをくくって、もっと損失を大きくしてしまうパターンです。こういったことになってしまわないためにも、手じまいを上手にできるようになり、リスク管理力を身につけることが、勝利への近道です。今回は、リスク管理に必要な、最低限理解しておきたい注文方法について解説します。なお、わかりやすくするため、1$=100円でドルを購入した(する)と仮定して、具体的な例を交えて説明していきます。


逆指値注文とは?

逆指値注文は、株式取引でも使える注文方法なので、ご存知の方も多いでしょう。今のレートよりも損失が大きくなるか利益が小さくなるかするレートを指定し、そのレートをつけたときに注文する方法です。1$=100.50円になって利益が出ているが、再び円高になったら利益確定したい。そこで、1$=100.30円になったら成り行きで手じまう注文を入れた。これで最低でも、100.30円前後で利益確定できます。予想と違った展開になっても、「最低限の利益は確定する」、「損失をこれ以上大きくさせない」という目的で使う注文方法です。


OCO、IFD注文とは?

OCO注文は、注文を2つだし、1つが成立するともう1つが失効するという注文方法です。手じまいの注文を入れるときに、「不利な方に振れた時の保険の注文を入れておく」とイメージするとわかりやすいでしょう。「One Cancels the Other order」の略です。1$=100.50円になって利益が出ている。もう少し円安になるかもしれないが、円高方向に振れたときに備えてOCOの手じまい注文を入れます。1$=100.70円(指値)で手じまい。しかし、1$=100.30円をつけたら成り行きで手じまい。予想通りの展開になれば、70銭の値幅を取れます。うまくいかなくても、30銭分の利益はしっかりと確保です。逆指値注文をさらに進化させ、「利益をより大きく確定させる」、「損失をより小さく確定させる」ということも考えた注文形態ですね。次に、IFD注文です。

これは、新規注文時に、その手じまい注文を同時にしておく方法です。「IF Done order」の略です。

1$=100円でドル買い。同時に1$=100.50円で売り注文を入れる。
IFDは手じまい注文忘れの防止にはなりますが、想定外の損失を防ぐための防波堤にはなりません。IFD注文をするつもりであれば、次に説明するIFO注文が断然オススメです。


IFD+OCO=IFO注文

IFO注文は、IFD注文にOCO注文を組み合わせた、リスク管理に優れた注文方法です。1$=100円で買い注文を入れます。同時に、1$=100.50円で売り注文(指値)、1$=99.80円になったら成り行きで手じまいするという売り注文もします。これなら、IFD注文ではできなかった、予想外の事態への備えが可能になります。エントリーするときから手じまいまでのストーリーを全て考えた、リスク管理を徹底した注文方法だと言えるでしょう。


手じまいしてこそ利益!常に出口戦略を!

「今、○万円の含み益が出ている」
このように考えたことはありませんか?けれども、

「今、○万円の含み益が出ているが、万が一のことがあれば、ロスカットで△万円の損失になってしまう」
と同時に考える習慣があるでしょうか?株式投資の現物取引と違って、FXは予想以上に資産が増減してしまいます。含み益は利益ではない!手じまって確定したものだけが利益です!常に出口戦略を意識してこそ、FXでの失敗を未然に防ぐことができます。

ポジションを取るときは、急いで注文するときは、通常注文をしてから、すぐにOCO注文を入れておく。そうでなければ、IFO注文で手じまいまで考えた注文をする。手じまい注文がない状態を作らないようにすることが、FXで利益を出すための最低条件だと考えておくとよいでしょう。


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