「定年退職に関する意識調査」で対象となった15カ国中、定年に向けた準備が最も整っていない国は日本であることがわかった。

この調査はオランダの保険会社エイゴンが1万4400人の労働者の回答から、対象国の定年準備のレベルを6つの項目(個人の責任・意識レベル・金融知識・定年後の収入・老後用貯蓄・定年後の計画)を10点満点で採点したものだ。

労働者が「定年退職の準備が整っていない」と感じている15カ国

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

15位 インド 7.6(2016年から0.3増)
14位 米国 6.9(0.2増)
13位 ブラジル 6.4(0.3減)
12位 中国 6.3(0.3増)
11位 英国 6.2(0.1増)

9位 オーストラリア 6.1(0.3増)
9位 カナダ 6.1(0.2増)
8位 ドイツ 6.0(0.1減)
7位 オランダ 5.8(0.2増)
6位 トルコ 5.5(0.1増)
5位 ポーランド 5.3(変動なし)
4位 フランス 5.2(0.1減)
2位 ハンガリー 5.1(変動なし)
2位 スペイン 5.1(変動なし)
1位 日本 4.7(変動なし)

5割が「老後の主な収入源として国民年金をあてにしている」日本

調査結果を見るかぎり、「定年後の準備が100%整っている」と労働者が自信を持っている国はない。最もスコアの高いインドですら、約4分の3程度しか準備が整っていない。

最低水準の日本は、2012年の調査結果では5.19と半分以上のスコアを獲得していたが、2016年以降は4.7まで落ちこんでいる。

こうした老後を悲観視する傾向は世界的に広がっており、日本やスペイン、ハンガリーなどスコアの低い国の国民ほど、「定年後の生活資金の少なくとも半分を国民年金に依存するつもり」という傾向が強くなるようだ。

日本は50%が国民年金、17%が年金積立制度、32%が個人貯蓄を定年後の主な収入源として挙げている。インドでは対照的に、国民年金をあてにしているのはわずか27%で、43%が個人貯蓄、30%が年金積立制度を重視している。

相対的に日本は、老後の準備という観念が他国よりも薄いという印象を受ける。お隣の中国では46%が「ある程度の年齢に達したので貯蓄を始めた」、インドでは30%が「世帯を持ったので」、オランダでは30%が「自動的に会社の年金積立制度に加入した」と答えたが、日本で同様の回答をしたのは4%から8%程度である。

2割の日本人にとって定年後のイメージは「退屈」

米国では労働者の32%が、インドでは31%が「定年後の計画を書きだしている」 が、日本では4%と極端に低い。「定年後の万が一に備えた計画を立てていない」点でも、日本は69%とハンガリーとオランダ(ともに71%)に次いで無防備だ。

こうした国・地域による老後の準備の差は、老後のイメージや生活観にも影響しているようだ。

例えば定年退職後の生活にオランダ人が抱いている最も一般的なイメージ が「娯楽(62%)」、中国人が「自由(50%)」、米国人が「愉快(43%)」であるのに対し、「退屈(20%)」と答えたのは日本人が最多だった。

また定年後にしたいことのトップである「旅行(62%)」「家族や友人ともっと時間を過ごす(57%)」に同意した回答者が最も少ない国も日本で、それぞれ40%と38%にとどまった。特にインドやブラジルでは人気の「海外定年移住」も、日本は平均の半分(6%)と消極的である。

多くの国で「定年後はゆっくりしたい」という意識が一般的だが、日本では「体が元気なうちは働きたい」という意識が強いと聞く。その辺りの根本的な意識の差が調査結果に反映されているのかも知れないが、定年後の生活観や人生観がこれほどまでに異なるとは驚きだ。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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