定年の準備 整っていないのは日本?
2012年から、欧米やアジア各国で退職とセカンドライフに関する意識調査を行っているオランダの保険会社グループ、エイゴンとソニーライフ・エイゴン生命のまとめによると、調査対象の15カ国中、退職後の準備が最も整っていない国は日本だという。 この調査は、各国の勤労者と退職者に対しインターネットを通じて実施。計1万4400人に対し、退職準備のレベルについて6項目(個人の責任・意識レベル・金融知識・定年後の収入・老後用貯蓄・定年後の計画)質問し、その結果を、エイゴンが開発した「エイゴン・リタイアメント準備度指数」で公表している。日本は調査開始当初から2017年まで指数にほぼ変動はなく、最下位が続いている。
2017年の「エイゴン・リタイアメント準備度指数」ランキング 1位 インド 7.6(2016年から0.3増) 2位 米国 6.9(0.2増) 3位 ブラジル 6.4(0.3減) 4位 中国 6.3(0.3増) 5位 英国 6.2(0.1増) 6位 オーストラリア 6.1(0.3増) 6位 カナダ 6.1(0.2増) 8位 ドイツ 6.0(0.1減) 9位 オランダ 5.8(0.2増) 10位 トルコ 5.5(0.1増) 11位 ポーランド 5.3(変動なし) 12位 フランス 5.2(0.1減) 13位 ハンガリー 5.1(変動なし) 13位 スペイン 5.1(変動なし) 15位 日本 4.7(変動なし)
老後の収入源として年金をあてにする日本人
調査結果を見るかぎり、「退職後の準備が100%整っている」と労働者が自信を持っている国はない。指数では8点以上を「準備度が高い」としているが、最もスコアの高いインドですら8点に届いていない。 最下位の日本は、2012年の調査結果では5.19だったが、2016年以降は4.7にまで下がった。指数では6点未満を「準備度が低い」としている。
老後を悲観視する傾向は世界的に広がっており、日本やスペイン、ハンガリーなどスコアの低い国の国民ほど、「定年後の生活資金の少なくとも半分を国民年金に依存するつもり」という傾向が強くなるようだ。
調査の中で、日本人は退職後の所得のうち、50%を国民年金が占めると考え、17%を企業年金、、32%を貯蓄や投資からの収入で賄うつもりでいる。。インド人は対照的に、国民年金を27%しかあてにせず、43%を個人貯蓄、30%を企業年金が占めると考えている。
こうした結果を見ると全体的に日本人は、老後の準備という観念が他国よりも薄いという印象を受ける。お隣の中国では46%が「ある程度の年齢に達したので貯蓄を始めた」、インドでは30%が「世帯を持ったので」、オランダでは30%が「自動的に会社の年金積立制度に加入した」と答えたが、日本で同様の回答をしたのは4%から8%程度だった。