第一生命保険が9月より海外不動産投資を26年ぶりに再開する。日本経済新聞が報じた。まずは欧州の不動産へ投資し、その後、米国やオーストラリアなどへ投資先を広げる見込みだ。マイナス金利政策の影響で国内での運用環境が厳しさを増す中、投資対象を広げ、利回りの確保を目指す。

2017年度に欧州へ100億円 米国や豪州への投資も視野に

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(写真=PIXTA ※画像はイメージです)

報道によると、第一生命保険は9月にも海外不動産投資を始める見込み。同社による海外不動産投資は実に26年ぶりの再開となる。1980年代には海外不動産投資を拡大させ、ピーク時には6000億円の投資残高を誇ったが、バブル崩壊後に残高を減らし、2001年にはゼロとなっていた。

2017年度にまずは100億円を投じる計画であり、投資対象は欧州15カ国でオフィスビルや商業施設など500物件の予定。投資はファンド・オブ・ファンズ(FOF)の形式を取る。複数のファンドにまとめて投資をする手法であり、地域や物件の分散によるリスクの低減や為替ヘッジが可能となるといったメリットがある。国内生保で同形式を使った投資を行う事例は初になるという。

投資対象の欧州は賃料上昇が見込める事に加え、他の地域より為替のヘッジコストが安く済む。2018年度以降は投資額を増やし、米国やオーストラリア等の地域にも投資先を広げる構えを見せる。

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