マツダが初代ロードスターのレストアサービスの事業化と、復刻パーツの供給を8月に発表した。ほぼ同じ時期にホンダからも、ビートの純正部品の再生産が発表されている。ロードスターは1989年、ビートは1991年の発売で、既に25年以上が経過し純正部品による修理が難しい状況になりつつあった。

往年のオープンスポーツカーに、メーカーが手を差し伸べる理由は何だろうか?

そもそもクルマはいつまで乗り続けられるのか?

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(写真=betto rodrigues/Shutterstock.com)

タイヤ、オイル、バッテリーなど定期的なメンテナンスを行っていれば、10年、20万km以上乗り続ける事は十分可能だ。とはいえメーカー保証の5~7年または10万kmを超えてくると、足回りやエンジン内部などの部品交換が必要になることが多く、こうしたメンテナンスにはメーカーからの部品供給が欠かせなくなってくる。

メーカーやモデルによっても異なるが、生産終了から15~20年ぐらいで部品在庫がなくなり、修理やメンテナンス不能になるケースが多い。一般的には走行や車検の通過に必要な部品供給が止まるタイミングが、乗り続けられる限界といえる。

クラシックカーと呼ばれる1975年以前のハコスカGT-RやホンダS600などのメンテナンスには時間と手間がかかり、エンスージアストと呼ばれるマニアや、専門業者の手をかりなければ維持は難しい。

古いクルマの部品供給を止めたいメーカーの事情