経済ニュースサイト「界面」は“運転代行業のデータと背後の事情”と題する運転代行業界の分析記事を掲載した。ライドシェアやシェアサイクルがしばしば話題となる中国だが、運転代行業はどうなっているのだろうか。

経済効果

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(写真=PIXTA)

清華大学公法研究センターが8月に発表した“代駕行業発展白皮書”は中国の運転代行業は急速に発展中と強調している(代駕=運転代行)。

白書は10年に及ぶゆったりした草創期を過ぎ、運転代行業は成長期入りしたと指摘した。2016年の代行運転の契約件数は2億5300万件、売上は154億元(約2570億円)に達した。

その運転代行市場の情景を代表しているのは、飲酒後の代行である。運転代行業は、飲酒運転によって引き起こされたであろう事故350万件、そのため刑事罰を受けたであろう83万人、財産の損失462億元、を救った。

さらに4億4000万回のアルコール検査、5300万回のパトカー出動、9000万回の警官出動、2615.2年分の事故管理時間、また2525.2年分の交通混雑が節約できたと分析している。

ドライバー像と利用者像

滴滴媒体研究院が発表した“代駕社会価値報告”によるとドライバーの95%は若からず、老けてもいない30~40歳代が中心である。中年男性を主力とし、女性は極めて少ない。しかし北方の都市、北京、天津、大連では比較的女性比率は高い。

収入はどうだろうか。2016年の全国運転代行専業ドライバーの平均月収は、6957元だった。一部の都市、北京、上海、広州、深セン、杭州では1万元を超えている。深センを例にとれば、同市の全給与所得者の平均月収は5525元である。これに対し運転代行専業ドライバーの平均月収は1万106元で、平均の1.83倍となっている。実入りのよい商売なのである。

次に利用者像である。2016年の運転代行利用者は、79.5%が大卒以上、61.4%が月収1万元以上、76.2%が男性、63.8%は28歳以上であった。

また利用者の最も心配な問題は、ドライバーの運転技術、56.1%、身の安全、52.6%、ドライバーの経路不案内、47.0%、個人情報の漏洩38.5%という答えであった。

2社による市場支配

運転代行は、一般的にスマホアプリで依頼する。運営サイトのトップ3を見てみよう。

1位 滴滴代駕  認知率85.6% 普及率75.8%
2位 e代駕  認知率67,1% 普及率43,6%
3位 愛代駕 認知率34.5% 普及率5.1%

ライドシェア業界の巨人「滴滴出行」が運営する“滴滴代駕” に対し、唯一“e代駕”が抵抗している構図である。2015年、滴滴の攻勢に直面したe代駕は、1億ドルの融資を集めて対抗した。ドライバーを4倍に増やし、また解雇するなどドタバタしたが、2016年6月には利益を計上し生き残った。

運転代行もライドシェア同様スマホアプリで依頼する。すでに生活ネットインフラの一部である。その運用会社は新興の有力ネット企業である。日本の運転代行とはまったく違う光景が現出していた。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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