東南アジアに位置するカンボジア王国は、1993年新憲法が導入され、それ以降順調に経済成長を遂げている。IMFの発表によると、特に2011年からは経済成長率7%前後となっており今もなお経済成長が引き続き期待されている。日系企業の進出も増えており首都プノンペンでは不動産市場についても注目を集めている。
平均年齢22.6歳と若者が多いカンボジア
カンボジアは東南アジアに位置する国でタイ・ベトナム・ラオスの国境沿いに面している。国際労働財団のデータによると、人口1596万人(CIA調査2016年6月)、うち90%以上がカンボジア人(クメール人)で言語はカンボジア語、首都はプノンペンである。観光で有名なアンコールワットはシェムリアップに位置する。
カンボジアは人口動態面でも経済成長が期待されている国だ。国際労働財団のデータによると平均年齢は22.6歳、生産人口は62%、高齢者は4.3%だ。不動産についても主要産業の1つであり、2桁台の成長が期待されているという。
カンボジア不動産市場で注目されているのはプノンペン
カンボジア不動産の中でもっとも注目を集めているのが首都プノンペンである。国連発表のデータによると、プノンペンの人口は2000年には114万9000人だったが、2010年には151万人、2020年には197万9000人になると予測されている。当然ながら物件の需要も高まっており、特に注目を集めているのが外国人向けの高級コンドミニアムだ。
賃貸需要については、世界各国の駐在員たちからの需要が高い一方、供給量はまだまだ少なく、カンボジア不動産の家賃は高めの設定となっている。また、プノンペンはバンコクに比べて地価が安いため、投資家たちにとっては、コンドミニアムの販売価格は安いが、賃貸需要があり家賃は割高となるため、利回りが8%と比較的高水準のマーケットととなっている。
カンボジアで外国人が所有できるコンドミニアムとは
カンボジアでは外国人区分所有法が設定されている。条件を満たす集合住宅に対して区分所有権が認められているのだ。条件は下記となる。
- 2階建て以上の物件
- 外国人所有者が全占有部床面積の7割を超えないこと
- 管理組合と組合規定が設定されていること
- 区分所有可能な物件
こうした条件から現地向けのアパートではなく、コンドミニアムが対象となっている。ただプノンペンもコンドミニアムの建設は続いており、2017年には5000戸、2018年には2万5000戸ほどの供給が予定されているという。現地の人にはまだまだ高い買い物であり、2018年には需要と供給ラインが交差する可能性も否めない。
プノンペンでは、外国人である我々が所有できるのはコンドミニアムとなるが購入価格が良心的なのに対し、家賃が高値となっているため利回りが高く世界各国の投資家たちが注目している。ただ前述したように今後コンンドミニアムの供給量が増えていくため2018年を境に変化する可能性もある。
供給過多になると家賃相場は当然ながら下がるであろう。そうなると利回りは低くなるが、プノンペンについてはもともとの不動産価格が良心的な価格で購入できる。また、プノンペンの地価もバンコクなど周辺の首都と比較したらまだ安いこと、現在タイやベトナムなどの周辺国の人件費や電気代が高騰していることから、拠点をカンボジアに移す企業も増えており、外資系企業はますます増える可能性が高いことから、今後もプラス材料がが見込まれる環境と言え、プノンペンでの不動産投資はまだまだ目が離せない状況だ。(山本さくら タイ・バンコク在住のフリーライター)