北朝鮮リスクの警戒から金価格の上昇が目立っている。投資の世界には「有事の金買い」という言葉があり、市場のリスクが高まると金が買われる傾向がある。今回の北朝鮮リスクをキッカケに、分散投資としてポートフォリオに金を組み入れようと考えた方も多いだろう。金投資の種類とそれぞれのメリット・デメリットを確認していこう。

北朝鮮に対する警戒上昇で金の価格高騰

金投資,有事の金買い
(写真=PIXTA)

金はロンドン市場での1オンス当たりの米ドル建ての価格が国債取引の指標となる。直近の底値である7月10日の1213ドルから、北朝鮮の地政学リスクの高まりを背景に、9月4日には1325ドルをつけ年初来高値を更新した。2ヶ月半で9%の上昇を見せている。

近年で金が1320ドルを越えたのは、16年6月から9月にかけて英国がEU離脱を決定した後や16年11月の米大統領選の直前など、金融危機が高まった時期と重なる。

有事の際には、機関投資家は運用ポジションを縮小して市場の下落に備え、損失の拡大を防ごうとする。株式や債券の比率を下げ、金などの有事に強い資産に資金をシフトする。これを金融市場では、リスクオフと称している。金はリスクオフで買われる代表的な資産だ。

金は実物資産として有価証券をヘッジ可能