日経平均予想レンジ20,000~20,545円

今週は、米国株の史上最高値更新や112円台への円安進行を追い風に、日経平均は2015年8月18日以来の高値水準20,481円まで買い進まれ年初来高値を更新、TOPIXも年初来高値を更新した。

市場にはリスクオンムードが強まってきた。米国政治や北朝鮮情勢への警戒感が後退する中で、衆院解散総選挙が好感され内閣支持率が回復することで、経済対策に期待が集まった。また、FOMCを無難に通過し、米連邦債務上限引き上げ問題は12月まで凍結された上、米長期金利が上昇したことで日米金利差拡大期待から、円安・ドル高水準が追い風となった。

海外の焦点

注目のFOMC(19-20日)では、政策金利の据え置きと保有資産(約4.2兆ドル規模)の10月からの縮小(月額最大100億ドル)開始が決定された。金利見通しは「年内あと1回」の利上げの想定が維持された。市場では12月利上げはある程度織り込まれていたはずだが、思ったより「タカ派的」と受け止められている。米長期金利の先高感が高まり、10年債は2.2765%に上昇、NYダウは9日続伸し、7日連続で史上最高値を更新した。

国内の焦点

安倍首相は、28日召集の臨時国会冒頭にも衆院を解散する意向を固めた。この場合衆議院選は10月10日公示、22日投開票の可能性が高い。自民党が単独過半数の議席を獲得する可能性は高く、アベノミクスや日銀の金融政策継続への思惑を背景に、市場ではじわじわ円売りが効いてくるかもしれないとの見方が広がっている。しかし、改めて政策期待が高まるかがポイントとなりそうだ。もし、自民党の議席数が伸び悩むことになれば、安倍首相の求心力は低下し、政策面でも先行き不透明感が強まる。

来週の株式相場

チャート面では、4月底入れ後の相場展開の再来となるのか注目される。前回4/17底入れ後は、三空踏み上げからもち合いのあと、19,998円高値(5/16)まで上昇、上昇率は9.73%となった。今回は、19,239円(9/18)の底入れから三空形成後、節目の2万円を突破してきた。前回の上昇率に従えば、ここからは値固めのあと、10月相場では21,110円を目指す相場展開が想定される。

以上、来週は投資環境改善を背景に、リスクオンムードの高まりから2015年8/18-8/19に空けた窓埋め挑戦の展開と捉えている。日経平均のレンジは上値は2015年8/19窓埋め20,545円が意識され、下値は節目の20,000円が目処となろう。

株式見通し9-22

伊藤嘉洋
岡三オンライン証券 チーフストラテジスト