離婚の際に夫婦でもめる問題の一つに、未成年の子どもの親権がある。離婚届には、親権者を記載する項目があるから、お互いが親権を持ちたいとして、話し合いがつかなかった場合、離婚そのものが成立しないことになる。このような状態はお互いにとって避けたい事態であり、何よりも子どもの福祉にとっても悪影響である。紛糾しないための親権者の決め方はあるだろうか?

「親権」を主張し合う夫婦

離婚,調停,親権,行政書士
(写真=PIXTA※画像はイメージです)

先日Aさんから親権についての相談があった。Aさんは妻Bさんと10年前に結婚し、8歳の子どもがいる。ただこの数年Aさんは、お互いの性格が違い過ぎて結婚生活を続けていくことに限界を感じ始めていた。そのことを2~3カ月前にBさんに伝えたところ、同じようなことをBさんも感じていたとのことだった。

話し合いを重ねた結果、先月離婚することにお互いが合意した。どちらかの不貞や暴力などで離婚するわけではないので、慰謝料の支払いはない。また、Bさんも仕事を持っており、離婚後の生活に特に不安はない。財産分与もうまくいきそうである。

ただ困ったことに、8歳の娘の親権をAさんもBさんも持ちたいと主張し、なかなか合意することができないでいる。そこで、Aさんは筆者の所に「どうやって解決したらいいですか?」と相談に来られたのである。

「親権」とは何か? 身上監護権と財産管理権