不動産の物件選びには知識と経験が必要で、個人投資家にはなかなか難しい。しかし現在ではAIによるビッグデータの解析とアルゴリズム分析などを活用した不動産投資(Real Estate Tech)のサービスが、米国に続き日本でも広がり始めている。

米国には豊富データベースがある

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(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

米国には体系的な不動産データベースMLS(Multiple Listing Service)がある。不動産業者のみ閲覧できるが、間取りなどの基本情報のほかに税金履歴、学校区、洪水マップ、さらに国勢調査データまで確認が可能である。そのため、不動産業者は顧客に対して物件情報のみならず、近隣地域の状況を定量的なデータとともに伝えられる。

さらに米国ではZillowという1億1000万世帯のデータを提供するWebサービスが2006年から提供されており、建物の経年劣化による価格推移や将来の価格予想などを無償で個人ユーザーに提供している。そのため米国では個人投資家においても、効率よく透明度の高い不動産情報を集めことができるのである。

一方、日本においてはレインズ(REINS、Real Estate Information NetWork Systems for IP Services)という米国のMLSに近似したサービスはあるが、間取りなどの基本情報しかない。そのため日本の個人投資家が不動産投資をするときには不動産営業マンが「足で稼いだ情報」が大きなポイントとなり、不動産投資物件を定量的な評価ではなく定性的な評価による購入をする傾向が米国と比較して強いといえるだろう。

日本におけるReal Estate Tech