国内鉄鋼大手の神戸製鋼所 が2017年10月8日に発表したアルミ製部材の品質データ改ざん問題。その後、品質データの改ざんはアルミ製部材にとどまらず、銅製品やグループ会社にまで拡大している。製品の納入企業は500社を超える見込みで、大規模なリコールや訴訟にまで発展する恐れもある。

株価下落 「ストップ安」とはどんな状況なのか?

NISA口座,神戸製鋼所
(写真=PIXTA ※画像はイメージです)

神戸製鋼所の株価は問題発覚前の2017年10月6日には1300円台半ばだった。しかし、品質データ改ざん問題を受けて、神戸製鋼所の株には売り注文が殺到して株価は急落。三連休明けの10日にはストップ安となった。その後、品質データ改ざんの対象製品が拡大とともに株価は下落。株価は10月16日現在、800円を割り込む水準にまで値下がりし、一時は774円の安値をつけた。わずか1週間で、40パーセント以上も株価は下落したことになる。

株価は、前日の終値または最終気配値段などを基準として、価格の水準に応じて一定に制限されている。制限値段の上限まで価格が上昇することを「ストップ高」、下落することを「ストップ安」と言う。

株価によって、上下の値幅制限が決められている。例えば、株価が100円未満であれば、上下30円、200円未満であれば50円という風にだ。神戸製鋼所の株価は1300円台だったので、1500円未満は上下300円の値幅制限のため、10日はストップ安300円となった。

ストップ高、ストップ安でも取引することはできるが、売り注文に対して買い注文が圧倒的に多い状況の場合には、買い注文の場合にはストップ高の株価で取引が成立しないまま終了することもある。

反対に、買い注文に対して圧倒的に売り注文が多い状況の場合には、ストップ安の株価で取引が成立しないまま終了することもある。

このような場合には、自分が取引できるのかは取引時間が終わってみなければわからないので、注文を出した場合には必ず取引が成立したのかを確認しておく必要がある。

NISA口座の買付金額ランキング1位に登場

ところで、神戸製鋼所の株価急落に伴い、株価を割安だと判断した個人投資家の多くが株を買うために利用しているのが「NISA(ニーサ)」だ。SBI証券が発表しているNISA口座での国内株式買付金額ランキングを見ると、2017年10月9日以降の週間ランキングで1位に登場した。

NISAとは、2014年から始まった少額投資非課税制度のことだ。NISA専用の口座を開設することで株式や投資信託等を購入できる。

NISA口座の特徴として、(1)毎年120万円を、(2)最長5年間まで、(3)投資総額最大600万円まで投資することができる。また、投資枠で発生した利益に対して税金がかからない。

特定口座や一般口座であれば、株式投資などで損失が発生した場合には利益と損益通算を行うことができる。しかし、NISA口座で購入した株や投資信託等は、特定口座や一般口座の株や投資信託等と損益通算を行えないというデメリットがある。

国内外で発生したエアバッグの不具合などによるリコール問題の影響を受けて業績が悪化、経営破綻したタカタ が上場廃止になったことは記憶に新しい。

NISA口座で購入する際の注意点は?

タカタ株の株価急落を受けて、多くの個人投資家がNISAで購入したわけだが、結局は2017年7月27日に上場廃止となった。購入と売却のタイミング次第では利益が出た投資家もいたかもしれないが、売却のタイミングを逸して損失が発生した投資家も少なからずいたことだろう。

特定口座や一般口座での取引であれば、口座の中で取引している株式などの利益と損失を相殺することで損益通算できるが、NISA口座では損益通算を行うことができない。株価の下落に耐えられず、株を売却したら損失が確定し、非課税という特典も受けられない。

利益に対して税金がかからないと聞くと、お得に感じて株価急落時にNISA口座を活用する人も多い。しかし、利益が発生しなければ非課税という特典を受けられないばかりか、損益通算も行えないという事態に陥り、ダブルパンチを食らう可能性があることを肝に銘じておかなければならないだろう。

株価が大幅に安くなるとお得に思え、「買っておかないと損」という気になるかもしれない。しかし、悪材料がいつ収まるかわからない場合は、株価がいつ、いくらで下げ止まるのかは誰にもわからない。ましてや上場廃止に関してはなおさらだ。NISA口座を利用する場合には、メリットとデメリットがある点に注意をして活用しなければならないだろう。

横山利香(よこやまりか)
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。ファイナンシャル・プランナー。相続士。WAFP関東理事。「会社四季報オンライン」や「All About株式戦略マル秘レポート」での連載や、ヤフーファイナンスの「株価予想」でもマーケットコメントを執筆する等、株式投資や不動産投資といった投資や資産運用をテーマに執筆、メルマガ発行( http://yokoyamarika.com/9zu1 )、講演活動、株塾を行う。

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)