自動車の祭典「東京モーターショー」が25日から東京ビッグサイト(江東区)で開幕する。EV(電気自動車)や自動運転分野の最新技術に注目が集まる中、参加するタチエス(7239)やケーヒン(7251)などの自動車部品メーカーに関心が高まりそうだ。

東京モーターショー
(写真=PIXTA)

今年で45回目を迎える2年に1度の東京モーターショーには、トヨタ自動車(7203)がAI(人工知能)と自動運転技術を組み合わせたコンセプトカー「TOYOTA Concept―愛iRIDE」などを出展する。ホンダ(7267)はスポーツEVのコンセプトモデルを披露し、三菱自動車(7211)も次世代運転技術を盛り込んだコンセプトカーを用意している。

自動車業界を取り巻く2大テーマのEVと自動運転は、当然モーターショーでも主役となる。大手コンサルティング会社のデロイトトーマツコンサルティングは、2025年からEVの普及が加速し、30年には販売全体の約7%のシェアを占めると予想。自動運転についても、国内で準天頂衛星「みちびき」の信号を利用した実証実験が始まっている。

部品各社もこうした流れをとらえるべく、商品開発を積極化している。

モーターショーでは、高度な自動運転(レベル3~4)を想定した次世代自動車用シートを参考出品するタチエス。同製品は、自動運転ならではの運転モードの変化に応じ、ドライバーにとって最適な姿勢を調整する。PBR(株価純資産倍率)0.8倍と割安感の残る株価の刺激となりそうだ。

カーナビ大手のクラリオン(6796)は、自動運転時代に向けた運転支援システムをモーターショーで提案する。AIによるドライブ情報の提供に加え、電子サイドミラーや眠気検知技術を駆使した利便性と安全性の高い20年代の移動空間を構想している。

19年に欧州市場にEVを投入するホンダと関係が深いケーヒンは、制御システムで新市場を開拓する。中国でも受注獲得に動くほか、モーターショーではEVとともに注目される燃料電池(FCV)向けの電子制御系デバイスを出展する。株価は上昇基調を強めつつある。

また、商用車のEV化の流れも見逃せない。いすゞ自動車(7202)はEVトラック「エルフEV」を展示。沢藤電機(6901)はEVの駆動用モーターを手掛けるが、今後は商用車展開を視野に入れている。このほか、EV関連製品でニッパツ(5991)、ミクニ(7247)などもマークしたい。(10月19日株式新聞掲載記事)

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