不動産投資は、不動産を購入してそれで終わりではありません。家賃収入という果実を得るためには、その部屋を賃貸していく必要があります。不動産投資というと、ほったらかしで家賃収入を得られるとイメージしている人もいるかもしれませんが、部屋を賃貸した後にもトラブルなどが発生し、対応を迫られることもあります。

今回はある不動産投資家が賃貸経営を通じて、実際に経験した賃貸後の入居者とのトラブルを紹介した上で、それに対する対応策を考えていきましょう。

(写真=fizkes/Shutterstock.com)
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1番怖いのは何といっても滞納リスク

賃貸開始後の1番のリスクは滞納リスクです。ここで1番のリスクと挙げたのは、発生した場合の金額的な影響額に加え、精神的苦痛、そして、自分自身でできることが限られてしまうという点にあります。都心のマンションには少ない傾向がありますが、郊外のアパートなどで賃貸経営を始めてみると、意外と家賃滞納者が多くいることに驚きます。特に個人事業主の方に滞納者が多いという実績があります。

現在の借地借家法は、借り主を保護するような内容となっています。したがって、家賃滞納という法律違反に近いことをしているにもかかわらず、強制的に追い出すことができません。力ずくで追い出そうとすると、逆に大家が訴えられた場合は負けることもあるくらいです。

ある不動産投資で、家賃約12万円の都内デザイナーズマンションを所有していた人がいるのですが、この部屋の元入居者の場合は、家賃を支払うと言い続けながら結局1回も支払うことなく半年も居続けたそうです。最後には部屋のウリにしていた備え付けの全自動洗濯機も持っていかれ、夜逃げされました。半年で利益ゼロです。

滞納に対する対策は、とにかく契約時の審査で入居者の選定をしっかりすること、そして、家賃保証会社に入ってもらうことです。審査に関しては、源泉徴収票などの所得証明は必ずもらうようにしましょう。個人事業主の人は、現在の預金残高を証明するものの提出、入居理由の説明など、より保守的に審査を進めていれば安心です。

家賃保証会社に入ってもらうことも必須条件にしている不動産投資家もいます。

長い投資生活の中では変わったことも起こる

不動産投資を長く行っていると様々なことが起こります。珍しいケースでは部屋を荒らされるケースもあります。以前、ある不動産投資家はアフリカから留学している2人に部屋を貸し出していたのですが、この入居者が住んでいた時は色々とトラブルがあったそうです。

定期的に部屋でパーティーをしていたらしいのですが、騒音が大きく、隣人から管理会社にクレームが入り、そのクレームが所有者の不動産投資家にきました。2回クレームがあり、管理会社の方が直接部屋まで出向き、ようやくおさまったそうです。文化の違いというのもあったのでしょう。

また、退去後に部屋がかなり汚れていて、シロアリのすみかになってしまっていたケースもあります。どのように部屋を使用したのかは謎ですが、退去後のシロアリ駆除費用として、10万円程度発生したとのことです。リスクヘッジのため、最初の契約時に退去時のルールを明確に決めておくことが重要です。

空室が長引いている時は、少しでも早く入居者を決めたいと焦って、本来入れるべきでない入居者を入れてしまいがちです。上記のような滞納入居者、部屋を荒らし、周りに迷惑をかける入居者を入れてしまうと、その後の手間が増えます。

やはり優秀な管理会社と良好な関係を構築することが一番の最善策かもしれません。

契約前の段階である程度選別することが最も重要ですが、それでもそういった入居者にあたってしまうこともあるでしょう。その際は、できる限り早めに対応をすることをおすすめします。何事もトラブルは大きくならないうちに対応することが肝心です。初動を早くすることによって費用や被害を最低限にしましょう。

(提供: Incomepress

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