日経平均が11月7日、2万2666円を上回った。チャート上で非常に重要な節目として市場関係者が注目していた水準だ。

96年6月26日につけたバブル崩壊後の戻り高値だからだ。デフレ終焉の象徴だとの見方も出て来ている。株式市場はチャートの重要な節目を意識しながら価格が形成される。覚えておいた方がいい節目を整理しておこう。

日本株は9月8日を底にターンアラウンド

日経平均節目
(写真=PIXTA)

北朝鮮半島の地政学リスクで下値模索の続いていた日本株のトレンドが変わったのは9月8日だった。日経平均が1万9239円を底に急反発、ドル円も同じ日に107円33銭を底に大きく反転し始めた。

北朝鮮が9月9日独立記念日にむけて国内でミサイルを移動しているとの報道があり緊張感が高まっていたが、威嚇行動を起こさなかった。前日の9月8日が底となり日経平均もドル円も急反発した。北朝鮮は9月15日に日本上空を通過するミサイルを発射したが戻り始めた市場ではほとんど材料視されなかった。その後、威嚇行為はしていない。

世界景気は好況。日本の景気も実感こそ少ないがいざなぎ景気を超える戦後2番目の景気拡大局面にある。名目GDPはバブル期を抜いて過去最高となり、法人企業統計では日本企業の経常利益率はバブル期を抜いて過去最高に達した。現在発表中の17年7〜9月期の決算も大方が予想を上回っている。日本経済は、マクロでもミクロでもファンダメンタルズ的には魅力的な水準になっていた。

日経平均は25年10ヶ月ぶり2万3000円台に

地政学リスクが落ち着きはじめたことで、世界の株式市場はリスクオンで上げ始めた。米国、ドイツ、イギリス、韓国、台湾などが過去最高値を更新する中、ファンダメンタルズが好調な日本株の出遅れ感が強くなり、海外投資家投資家が日本株に買いを入れ始めた。

海外投資家は9月3週まで9週連続で日本株を売り越していたが、9月4週以降明らかに買いスタンスに変更した。6週連続で合計2兆4871億円を買い越した。昨年11月〜12月のトランプラリー時の6週連続の2兆2533億円を超え、日銀の追加金融緩和で円安が進んだ13年10〜12月の10週連続の4兆6996億円以来の大幅買い越しとなっている。

海外投資家買いが日本株の上昇を牽引し、日経平均は10月2日〜24日まで史上最長となる16連騰を記録した。様々な重要な節目を払って上げてきており、9月8日から11月9日高値までの上げは4142円(21.5%)に達した。

特に96年6月26日の高値2万2666円は、バブル崩壊後の高値として重要視されていた節目だった。日本では、バブルが崩壊した1991年頃からデフレ色が強くなり「失われた20年」などと呼ばれるサイクルに入った。日銀がインフレ率2%をターゲットにしているのはデフレから完全に脱出したいからだ。バブル崩壊後の高値更新は、デフレ終焉を示唆している可能性が高いだろう。

チャート上の重要な節目は、上値抵抗線にもなるが、抜けた場合はモメンタムの強さを確認して一段高になることも多い。日経平均が2万2666円を抜けた11月7日は、10時過ぎにあっさりと抜けると上げを加速しその日の高値は2万953円まで急騰した。逆に調整時にも節目は下げ止まる目安にもなることがよくある。覚えておいた方がいい日経平均の節目を覚えておこう。

覚えておきたい日経平均の重要な節目一覧

38957円:ザラ場史上最高値(89年12月29日)
38915円:引け値ベース史上最高値(89年12月29日)
30000円:心理的抵抗ライン(90年8月2日が最後)
28314円:史上最高値からの2/3戻し
27146円:バブル崩壊後91年の戻り高値(91年3月18日)
25000円:心理的抵抗ライン(91年11月1日が最後)
24144円:日経平均予想PER16倍(17年11月10日時点)
23382円:17年ザラ場高値(17年11月9日)
22985円:史上最高値からの下げの半値戻し
22937円:17年引け値ベース高値(17年11月7日)
22750円:バブル崩壊後のザラ場の戻り高値(96年6月26日)
22666円:バブル崩壊後の引け値戻り高値(96年6月26日)
22635円:日経平均予想PER15倍(17年11月10日時点)
21126円:日経平均予想PER14倍(17年11月10日時点)
20952円:15年高値(15年6月26日)
20000円:心理的抵抗ライン(直近では17年9月12日から上回る)
19114円 16年末(17年12月30日)
18909円 16年度末(17年3月31日)

平田和生(ひらたかずお)
慶応大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。日本株トップセールストレーダーとして、鋭い市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスで国内外機関投資家、ヘッジファンドから高評価を得た。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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