先週(11/13〜17)の日本株は10週ぶりに下落、日経平均は週間で284円62銭(1.3%)安の2万2396円80銭で引けた。日本株の上げスピードに対する過熱感と、海外株安、円高で利益確定売りが膨らんだ。

11月9日に2万3382円と92年以来25年ぶりの高値をつけた後に日経平均が急落した地合を引き継ぎ、売り先行で週初から4日続落、先週からは6日続落。6日続落は今年始めてで1年半ぶりだった。

売りの主役は、海外のマクロ系とCTA(商品投資顧問)のヘッジファンドの解約売りだと見られている。日本株だけでなく、海外株、ドル、原油など幅広くポジション解消を出したようだ。NYダウの下げは11月7日の史上最高値から15日の安値までで1.5%。日経平均の週間の安値は16日の2万1972円と高値からは1410円(6.0%)調整した。日本株の下げは相対的に大きかった。ヘッジファンドの決算期は11月が多いので今週も売り買いが交錯する可能性がある。

もっとも16日に節目と考えられる2万2000円と25日移動平均線をサポートに達し、押し目買いが入り始め切り返した。 25日移動平均線でサポートされたため、上げトレンドが完全に崩れてはいない。ただ、金曜日の海外市場でNYダウが100ドル安、ドル円は一時119円95銭まで円高となっており、週初は波乱で始まりそうだ。

もっとも、先週金曜日は日経が午後から下げ足を速めたが、マザーズは堅調だった。日経平均の乱高下が一段落すれば、好業績銘柄を中心に小型株などにも買いが広まるとみている。

先週(11/13〜17)の振り返り

(写真=PIXTA)

13日の日経平均は4日続落、前日比300円43銭(1.3%)安の2万2380円99銭で引けた。

300円を超える下げは3月22日以来。米国の税制改革が上下院で実施時期が18年と19年と違う内容で可決されていることを懸念して世界的に利益確定の株売りとなっている。東証1部の売買代金は2兆7962億円と3兆円を割った。

14日の日経平均は5日続落、前日比98銭安(0.0%)の2万2380円01銭で引けた。 日経平均は下げ渋り一旦150円高まで戻したものの、午後からマザーズ指数など新興市場が急落し始めたことでセンチメントが悪化し上げ幅を縮小した。

15日の日経平均は6日続落、前日比351円69銭(1.6%)安の2万2028円32銭で商いを終えた。 6日続落は16年5月6日以来で今年最長だった。海外株式市場が下げ止まらず円高が進展したことに加え、寄り前に発表の7〜9月のGDPが予想の1.5%を下回る1.4%だったことも売りのきっかけとなったようだ。日銀は13、14、15日と3日連続で717億円のETFを買い入れて市場をサポートしている。売買代金は3兆7703億円に膨らみ3兆円レベルを回復した。

16日の日経平均は7日ぶりに反発、前日比322円80銭(1.5%)高の2万2351円12銭で引けた。 午前中に心理的な節目である2万2000円を下回ったが、相場のサポートの目安となる25日移動平均線の21941円を手前に下げ止まったため、反発狙いの買いが拡がった。

17日の日経平均は小幅続伸、前日比45円68銭(0.2%)高の2万2396円80銭で終えた。前日比では続伸したが、高値波乱だった。海外株がリバウンドしたためリバウンド狙いの買いが朝方から拡がり、一時406円高の2万2757円まで上げた。午後から円高が進んだことで週末のポジション整理となりで陰線とで引けている。もっとも、マザーズ指数1.1%高、ジャスダック平均0.7%高と小型株が堅調だった。

先週の海外市場を振り返る

NYダウは16日の187ドル高で落ち着いたように思われたが、17日に再び100ドル安と反落した。ドル円も急落。一時111円95銭と約1ヶ月ぶりの高値を付け、引けは112円05銭。東京市場の引けから53銭円高が進んだ。税制改革、ロシア疑惑などが下げの理由となっているが、目新しい材料ではない。まだまだ高値波乱が予想される展開だ。日経平均の夜間取引も2万2315円と先週末の大阪先物の引け比135円安だった。

今週(11/20〜24)の株式展望

今週の日経平均の予想レンジは2万2000円〜2万2750円とやや幅広い想定をしている。 ヘッジファンドの期末のポジション調整は前週で終わった可能性が高いとは見ているが、まだまだ今週も波乱含み。マクロ系やCTAのヘッジファンドはあまり小型株をいじらないので、新興市場の下げは個人の狼狽売りの可能性が高い。金曜日の日経平均の午後の下げでは、逆にマザーズなど新興市場は堅調だった。今週は指数よりも個別銘柄中心の動きとなりそうだ。

テクニカルでは引き続き2万2000円、2万2057円まで上昇した25日移動平均線がサポートだ。上値は17日ザラ場高値の22757円がレジスタンスとなりそうだ。

上期の東証1部企業の決算で最終利益は約23%増益で過去最高益を更新した。約3割の会社が18年3月通期の上方修正をしている。その結果17日時点での日経平均225社のEPSは1534円まで上昇した。9月末比で120円も増えた。120円増はPERを平均の15倍とすると理論値が1800円上がったことになる。現在の日経平均の理論値は2万3010円。高値波乱さえ落ち着けば年末にかけて2万3000円を超えてくるという見方に変更はない。

今週のイベントは、日本では23日が勤労感謝の日。海外では22日に米FOMCとECB理事会の議事録の公開がある。23日は米国が感謝祭の祝日で休場、24日から米クリスマス商戦が始まる。24日がブラックフライデー、一年で一番小売売上が上がる日だ。27日がサイバーマンデー、ネットでクリスマスセールが始まる日だ。毎年、メディアで消費動向が報道され、小売関連銘柄が動くイベントとなることが多い。

今週の経済指標は、国内では20日に10月貿易統計、21日に10月百貨店売上、24日に9月景気動向指数がある。海外では20日に米10月景気先行指標、21日に米10月中古住宅販売、22日に米10月耐久財受注、米11月消費者信頼感指数、米11月ミシガン大学消費態度指数、ユーロ圏11月製造業PMI指数がある。 (ZUU online 編集部)