トランプ政権発足以降、米国では株価とともに不動産価格の堅調な上昇が続いてきた。特にニューヨーク、マンハッタンの上昇率は高く、リーマンショック以降、2012年からは右肩上がりの高値更新が続いている(ケースシラー米住宅価格指数調べ)。日本での不動産投資事業に限界を感じる投資家たちが、海外での不動産投資に活路を見出す昨今、米国本土での不動産投資も選択肢の一つと考えられる。マンハッタンを中心に、数多くの賃貸不動産を扱う日系不動産会社リダック社に聞くと、そこには日本の市場とは異なる米国特有の不動産事情があった。

政権発足後の不動産市況と経済界の評価

ニューヨーク、不動産価値
(画像=PIXTA )

良くも悪くも常に世界中の耳目を集める米国大統領。そこに超個性的なキャラクターの登場で「いったい世界はどうなってしまうのか?」と不安に思った人は少なからずいたはずである。しかし、衝撃的な選挙の結果から1年、トランプ政権は支持率の低下やドル下落などのリスクは抱えているものの、様々な規制緩和によって株価は上昇、経済界においては概ね好意的に受けとられている。特に建築業界、不動産業界においては大規模な規制緩和や投資が行われる期待感によって、選挙後すぐに株価の上昇という恩恵を受けている。

改めてマンハッタンに降り立って見ると、建築中のビルディング、建築予定地区が非常に多いことに驚く。ニューヨークはすでに空前の建築ブームが起きていた。となればことニューヨークに関してはトランプ政権の発足如何に関わらず、ずっと活況が続いていることが明白だったのだ。結果的にニューヨークマンハッタン賃貸住宅の空室率は2%前後という低い水準を保っている。

「ハドソンヤード」の出現により変わる風景