日経平均予想レンジ22,250~22,757円

今週は日米共に祝日を挟み、様子見姿勢が強まりやすい中、米国株が今後本格化する年末商戦への期待から史上最高値を更新した流れを引き継ぎ、日経平均は11/9高値から11/16安値の半値戻しの22,677円を達成する場面が見られた。

海外の焦点

20日トランプ大統領は、北朝鮮を9年ぶりにテロ支援国家に再度特定し、向こう2-3週間のうちに具体的な措置を順次打ち出し、「最高レベルの制裁になる」と強調した。こうした措置に対し北朝鮮は、長距離ミサイル開発技術の向上を強め、年内に更なるミサイル発射実験を行うなど反発は必至なだけに、リスク要因として警戒は怠れない。

又、トランプ大統領が目指す法人減税を柱とする税制改革の行方も米議会が休会のため動きはないものの、市場の関心は来週予定されている上院での採決に向かっている。下院よりハードルは高く、年内成立は難しいとの見方が強い。

日米株価共に調整一巡から本格上昇に向かうのかに注目が集まっている。NYダウの高値圏でのもみ合いの最中、騰落レシオが11月に入り100%を割り込んで買いゾーンとされる90%前半まで低下してきた。こうした現象は今年に入って3-4月、8-9月に2度見られ、いずれもNYダウは1カ月程度自律調整に転じて上昇転換の動きを見せている。

これに従えば、今回も12月上旬まで調整が続き、年末に向けて騰落レシオ上昇に伴い、もち合い放れから上値追いの展開となることが見込まれる。となると、NYダウに影響されやすい日経平均は追随する動きとなる可能性が十分考えられる。

国内の焦点

2市場信用買い残高が4週連続増加し、2016年2月以来、2.83兆円に乗せてきた。9月中旬からの上昇相場では、売りが先行し、10/20現在、2.57兆円まで減少した。しかし、日経平均が21,500円を回復した10月後半から増加に転じ、23,000円近辺まで買い上がった格好だ。一方、売り残高は11月に入り、3週連続減少した。経験則では、信用取り組みが厚みを増してくると相場上昇のシグナルが点灯する。

2005年の郵政解散選挙で自民党大勝時には6兆円規模まで膨らみ、日経平均は12,000円台から2006年には17,000円台まで上昇した経緯がある。足元では、売り残高は1兆円、貸借倍率は2.66倍と低い状態が続いており、買い残高の拡大が今後の相場のスケールを占うだけに注視しておきたい。

以上、来週は名実共に12月相場入りとなる。国内材料に乏しい中、欧米株式や円相場を睨み、上値挑戦へのエネルギー蓄積場面とみている。日経平均のレンジは、上値は11/17高値22,757円が意識され、下値は25日線の22,250円付近が目処となろう。

岡三・伊藤の週間株式見通し
(画像=岡三オンライン証券)

伊藤嘉洋
岡三オンライン証券 チーフストラテジスト