米トランプ政権が北朝鮮を「テロ支援国家」に9年ぶりに指定したことをきっかけに、21日の東京株式市場で防衛関連株が物色された。半島情勢が再びきな臭くなる中、防衛費の積み増しが視野に入る。

トランプ大統領は現地20日の閣議で、北朝鮮のテロ支援国家指定を表明した。今後は大規模な追加制裁が打ち出されるなど、一段の圧力強化が視野に入る。一触即発の事態に発展する可能性が意識されたことで、関連銘柄を物色する動きが加速した。

予算拡大を意識

防衛銘柄
(画像=PIXTA)

一方、前日には、対地攻撃能力を持つミサイル「トマホーク」の日本版を防衛省が開発する方針だと報じられた。2018年度の防衛費は前年度予算比3%増の5兆2551億円と4年連続で過去最高額を更新する見通しだが、地政学リスクの高まりと安倍政権の長期化が相まって、その後も拡大基調をたどる公算が大きい。

この日の市場では、防衛省に小銃や迫撃砲を供給する豊和工業(6203)や、機雷を手掛ける石川製作所(6208)、火薬メーカーの細谷火工(4274・JQ)といった中小型の関連株が値を飛ばした。いずれも10月の高値から大幅な調整を挟んでいたが、ここへきて短期筋の資金が回帰しつつある。

一方、防衛費の拡大は、三菱重工業(7011)や川崎重工業(7012)、IHI(7013)、三菱電機(6503)といった防衛大手の側面を持つ企業にとっても事業環境の改善につながる。この日は外資系証券の投資判断引き上げもあった川重の株価が大幅高となった(2面に関連記事)。

このほか、関連銘柄としては、防衛用表示機器の日本アビオニクス(6946・(2))、ショットガンのミロク(7983・(2))、小口径銃弾の旭精機工業(6111・名(2))、レーダーシステムの多摩川ホールディングス(6838・JQ)などがある。

また、北朝鮮の核攻撃対策、電磁パルス対策に絡んでは、ノイズ除去装置の双信電機(6938)や放射線のシールド施設の技研興業(9764・(2))、タングステンシートの日本タングステン(6998・(2))などに資金が向かいやすい。

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