先週(11/27〜12/1)の東京為替市場で円は5週ぶりに反落、東京インターバンク市場の12月1日17時のレートは112円63銭と週間で1円20銭の円安で終えた。

米税制改革が難航するとの見方、ロシアゲート疑惑再燃などでリスクオフの円高が続いていたが、28日に9月15日以来の110円台を付けて切り返したことで再び円安トレンドに向かい始めた。円高が切り返すきっかけとなったのは、休会していた議会の再開で税制改革が可決するとの見方が強まったこと、時期FRB議長のパウエル氏がイエレン議長の流れを引き継ぎながら利上げ路線を継承するとともに金融規制緩和の方針を打ち出し米長期債利回りは2.4%まで上昇したことが大きい。

経済指標も理想的なゴルディロックス状態だ。29日発表の米7〜9月のGDP改正値は速報値の3.0%が3.3%に上方修正され、市場予想の3.2%を上回り米景況感の強さが再確認された。10月のFOMC議事録ではインフレ率が上がらないことが議論されていたことが明らかになったが、インフレ指標としてFRBが重視している10月のPCEコアデフレーターが前月の0.1%からから0.2%の上昇となったことも米長期金利の上昇をサポートした。

CMEのFF金利先物からみた市場の利上げの織り込み度合いは、12月13日の米FOMCではほぼ100%、18年3月が5割程度織り込まれている。

欧州景気も底堅い。23日の独11月PMI、24日の11月の独Ifo景況感指数ともに市場予想を上回った。年内にECBはテーパリングを開始する。日米、日欧の金利差が拡大するとの見方から、年末にかけてドル円は113円から114円に向かう可能性が高まったと見ている。

2日土曜日にはトランプ大統領念願の税制改革案が可決された。

先週(11/27〜12/1)の振り返り

為替展望
(画像=PIXTA)

27日の東京為替市場で円は3連騰、東京インターバンクの17時のドル円レートは前日比6銭円高の111円37銭だった。米ロシアゲート疑惑の再燃、中国政府がシャドーバンクなど金融監督を強化するとの報道があり、リスクオフの円高が進んだ。

28日の東京為替市場で円は4連騰、17時のドル円レートは前日6銭の円高の111円31銭だった。NY為替市場で、北朝鮮が弾道ミサイルの発射準備を進めているとの報道があった。有事の円高でドル円は一時110円85銭まで上昇、9月15日以来の円高水準となった。東京市場でも、一時110円94銭と110円台をつけたがそこから円安に大きく反転して引けている。

29日の東京為替市場で円は5日ぶりに反落、17時のドル円は前日比15銭円安の111円46銭だった。早朝に北朝鮮が9月15日以来となるミサイルを発射したが材料視はされなかった。米上院で税制改革法案が可決するとの見方が広まり、金融規制の緩和期待からNY市場でリスクオンとなった流れから日経平均が110円高、為替でもリスクオフの円安が進んだ。イエレンFRB議長とパウエル時期FRB議長の発言を控えドル円の日中のレンジは28銭と小動きだった。

30日の東京為替市場で円は続落、17時のドル円は前日比84銭円安の112円30銭だった。

米7〜9月のGDP改正値が上方修正され市場予想を上回りドル円は112円台を回復、日経平均も127円高と続伸し楽観的ムードから円安が進んだ。

1日の東京為替市場で円は3日続落、17時のドル円レートは前日比33銭円安の112円63銭だった。米税制改革の進展期待からNYダウが5連騰、331ドル高で2万4000ドル台に乗せた。日経平均も94円高と3連騰、一時11月9日に付けた引け値ベースでの年初来高値を更新し、リスクオンの円安が進行した。

先週の海外市場を振り返る

フリン前大統領補佐官がロシア疑惑でのトランプ大統領の関与を証言するとの報道からリスクオフで円高が進行し、1日のNY為替市場は112円35銭で引けている。東京市場の17時のレート112円63銭からは28銭の円高。

1日のNYダウは急落、一時は350ドル安の2万4000ドル割れとなった。もっとも午後からは上院で税制改革案が採決される見通しが高まり大きく戻して40ドル安で引けている。週間では673ドルの上昇で2週連続の上げとなった。

日経平均の夜間取引は2万2640円と先週末の大阪先物の引け比では140円安。土曜日の2日には、ついに米国で30年ぶりの大幅改革となる米税制改革法案が可決している。

今週(12/4〜8)の為替展望

今週のドル円の予想レンジは111円57銭から113円のレンジを想定している。米上院は2日未明、米大型税制改革を可決した。これにより米国景気をさらに拡大させる可能性が高い。

11月14日にドル円の5日と20日移動平均がデッドクロスしてドルの上値が重くなったが、27日の110円台からの反発で一旦割り込んだ100日移動平均線を底に切り返した。現在の100日移動平均線の111円57銭がサポートとなろう。レジスタンスは50日移動平均の112円80銭、ブレークした場合は大台替わりの113円がターゲット。

今週はあまり大きなイベントはない。12〜13日のFOMC、20〜21日の日銀金融政策決定会合が重要なイベントだ。

経済指標では、日本では4日に11月消費動向、7日の10月景気動向指数、11月都心オフィス空室率、8日の7~9月期GDP改定値、11月景気ウォッチャー指数がある。海外では4日に米10月製造業受注、米11月のISM非製造業景況指数、6日に米11月のADP雇用統計、8日に米11月雇用統計、9日に中国11月消費者物価、生産者物価が注目されよう。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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