2017年も残すところ1週間を切りました。私の知人には年末年始に10連休をとって、旅行を計画している人も少なくありません。ちなみに旅行大手のジェイティービー(JTB)は、この年末年始の海外旅行人数が70万4000人に達し、過去最高になると予測しています。

読者のみなさんの中にも海外旅行を計画している人がいるかも知れませんね。そこで、気をつけたいのが海外旅行先でのトラブルです。今回は「旅行保険」について解説しましょう。

「海外旅行のトラブル」確率はどれくらい?

海外旅行保険,必要
(画像=Thinkstock/GettyImages)

異なる文化、異なる価値観……旅行で外国を訪れるとたくさんの刺激や新しい発見があります。海外旅行の醍醐味の一つですが、注意したいのがトラブルですね。文化や価値観・慣習などが違うために思わぬ出費を強いられるケースも珍しくありません。

では、実際のところ海外旅行でトラブルが発生する確率はどのくらいなのでしょうか?

ジェイアイ傷害火災保険は、自社の契約者の「事故発生率」を公表しています。それによると、2016年度の海外旅行者の事故発生率は「3.40%」です。たとえば、30人のツアーで外国を訪れると、その内の1人に「何らかのトラブル」が発生することを意味します。

ちなみに、同社はトラブルのランキング(補償の項目別)も明らかにしています。

1位:救援・治療費用 51.5%
2位:携帯品損害 30.9%
3位:旅行事故緊急費用 13.7%

上記の通り、海外旅行のトラブルの1位は「救援・治療費用」で全体の約半分を占めています。海外旅行先での急な病気やケガほど心細いものはありませんよね。

海外で病気になった場合はいくら必要?

訪れた国にもよりますが、急な病気や事故によるケガで高額な治療費がかかるケースもあります。日本国内なら健康保険を使えば3割負担で治療できるのですが、外国ではそうはいきません。

たとえば、外国で救急車を利用すると、日本円に換算して10万円を超える国もあります。それにプラスして治療費もかかるとなると大変な金額です。

ちなみに、盲腸の治療費を都市別に見ると下記の通りとなります。

ニューヨーク:21万6000円
ロンドン:151万2000円
パリ:113万4000円
ローマ:110万0000円
香港:90万0000円
シドニー:86万4000円
グアム:86万4000円
※2008年、AIU調べ。

都市によって差がありますが、結構な金額ですね。ただし、一定の条件を満たしている場合は「帰国後に手続き」すれば支払った医療費の一部を払い戻してもらえるケースもあります。でも、それでも現地では「ひとまず全額を支払う」必要があります。

旅行保険に加入していると、提携の医療機関などで、立て替えをせずに「キャッシュレス」で治療を受けることも可能なので、いざという時も安心です。

海外での「救援・治療費用」は高額になることも

海外旅行先で「高額医療費事故」となるケースもあります。たとえば、病院で動けなくなって一人で帰国することが難しいケースです。この場合、現地の病院に家族などに迎えにきてもらって搬送する必要があり、家族の渡航費・搬送費用等がかかります。

ジェイアイ傷害火災保険は「高額医療費事故」の事例も紹介しています。ここでは2つの事例を見てみましょう。

【事例1】カナダのホームスティ先で泡を吹いて倒れ救急搬送、脳炎と診断され家族が駆けつける。医師・看護師付のチャーター機で搬送される。支払い保険金は3890万円。

【事例2】サイパンで飲食後、転倒。後頭部を強打し、くも膜下出血と診断され、家族が駆けつける。医師・看護師付のチャーター機で搬送される。支払い保険金は2367万円。

実際に上記のような「高額医療費事故」に遭遇するかはさておき、やはり万が一に備えておく必要があるかも知れません。

クレジットカード付帯の旅行保険で大丈夫?

ところで、クレジットカードにも旅行保険が付帯していますが、これだけで本当に大丈夫なのでしょうか。

クレジットカードには「利用付帯」と「自動付帯」の二つのタイプがあります。「自動付帯」は持っているだけで旅行保険が使えますが、「利用付帯」はそのクレジットカードで旅行代金や公共交通機関の支払いに利用することが条件となります。

また、クレジットカードに付帯している旅行保険は補償金額が少ないケースもあり、特に救援・治療費用等は上限金額に注意が必要です。気になる人はカード会社に確認してみることをお勧めします。

最近ではクレジットカードに付帯している旅行保険の補償で「足りない分だけ」をプラスできる自由設計の旅行保険もありますので検討してみると良いかも知れません。

冒頭でも紹介しましたが、この年末年始の海外旅行人数は70万4000人に達し、過去最高になるとの予測もあります。3.40%の「事故発生率」に従えば2万3936人が旅行先の国でトラブルに遭遇するかも知れないことを意味します。せっかくの年末年始です。元気で安全な旅行を楽しみたいものですね。

長尾 義弘 (ながお・よしひろ)
NEO企画代表。ファイナンシャル・プランナー、AFP。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『お金に困らなくなる黄金の法則』『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。 http://neo.my.coocan.jp/nagao/