日経平均予想レンジ23,453~24,000円

今週は米政治情勢の好転を受け、米国株が史上最高値を更新した流れを引き継ぎ、日経平均は1991年11/15以来24,000円台を回復、約26年2カ月ぶりにバブル崩壊後の高値を更新した。その後、円高進行が心理的な重しとなり、一時23,600円を割り込んだ。週末終値は23,631円。

海外の焦点

米国では、予算切れに伴う米政府機関の一部閉鎖に突入し、問題長期化による影響拡大への警戒感が強まる中、22日米上院が2/8までのつなぎ予算の可決に必要な動議を採決し、トランプ大統領の署名により政府機関の一部が解除される見通しとなった。

米国株は投資家のリスク選好意欲の高まりから史上最高値を更新した。ただ、市場では、トランプ政権発足から1年目に4年ぶりに閉鎖がおきた事で、トランプ氏の指導力不足が改めて露呈した、との見方は強い。一方、ムニューシン財務長官はダボス会議で開いた会見で、貿易拡大の為「弱いドルは良いことだ」と発言。ドル安を歓迎する姿勢を示したことで、米国の保護主義的な傾向を強めるとの警戒感が広がり、ドル円相場は一時109円台を割り込んだ。

国内の焦点

NYダウが上昇を続けている中で、日経平均とNYダウとの差が2,723pt(1/25)に拡大している。昨年からの経緯を見ると、法人の決算対策に絡んだ安値18,335円(4/14)に対し、NYダウは20,636ドル(指数差2,301pt)、9/8北朝鮮リスクの安値19,274円に対し、NYダウは21,797ドル(指数差2,523pt)であった。2,000pt以上離れた後は日経平均の出遅れ修正が意識され、ダウ平均に追随して縮小経過をたどっている。足元では、短期急伸による日柄調整局面にあるが、調整一巡感からNYダウに追随する動きが待たれる。

23日の日銀金融政策決定会合では、市場予想通り、金融政策の現状維持を決定した。又、展望リポートは中期的な予想物価上昇率を前回10月の「弱含み」から「横ばい圏内」に上方修正し、株価の先高期待への支援要因とみたい。

来週の株式相場

テクニカル面では、節目の24,000円を回復した達成感から上昇一服になりやすい。中長期の移動平均線は上向き傾向を維持しており、日経平均の上昇基調は変わらない。昨年12月に見られた25日線に接近した後上昇転換したように、25日移動平均線の上昇を待つ日柄調整局面と捉えられる。

以上、来週はテクニカル的な調整気運が台頭する中、円高進行を受けての決算発表本格化で、材料出尽くしとなるのか買い直されるかが焦点となろう。日経平均のレンジは上値は節目の24,000円が意識され、下値は25日線23,453円が目処となる。

伊藤嘉洋,株式相場見通し
(画像=岡三オンライン証券)

伊藤嘉洋
岡三オンライン証券 チーフストラテジスト