昨日の海外時間には、米長期金利が上昇してドル買いが優勢となりました。

昨日の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

欧州時間、新規の材料もない中小動きが続きましたが、東京時間午後に急落した日経平均先物がやや下げ幅を縮小したことから円売りが優勢となって、ドル円は108.80円台まで、ユーロ円は135.40円台まで上昇しました。この間ユーロドルは1.2440台を中心としたもみ合いが続きました。

NY時間にはいると、発表された米・1月ADP民間雇用者数、米・1月シカゴ購買部協会景気指数が予想よりも良い結果だったことから米長期金利が上昇を始め、円売りが一段と強まって、ドル円は109.40円台まで、ユーロ円は136.00円台まで上昇しました。この間ユーロドルは1.2470台まで上昇したあと1.2430台まで反落しています。

NY時間午後にはいってもユーロ売りは続き、ユーロドルは1.2400台まで、ユーロ円は135.60円付近まで下落しました。FOMCが終わり予想通り金融政策の据え置きが発表されました。声明文は経済状況に対する自信を深めていることが読み取れるような内容となっていましたが、その後米長期金利が低下したことから円買いが優勢となって、ドル円は109.00円付近まで、ユーロ円は135.40円付近まで、ユーロドルも1.2380台まで下落しました。

東京時間にはいって、日経平均が上昇していることから円売りが優勢となっています。

FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは84%まで上昇しています。

今日の予定

今日の海外時間には、ユーロ圏・1月製造業PMI(確報値)、独・1月雇用統計、ユーロ圏・1月消費者物価指数(速報値)、ユーロ圏・12月失業率、英・1月製造業PMI、米・新規失業保険申請件数、米・1月ISM製造業景況指数、米・12月建設支出の発表が予定されています。

今後の見通し

昨日のFOMCの声明文では、経済状況に関して前回の改善を示す表現から、絶対的な水準が堅調であることを示す表現に変わっていました。またインフレ率に関しても「今年上昇する見通し」と強い表現が使われました。また利上げの継続も強調されていました。さらに投票権を持つ地区連銀総裁が入れ替わったこともあって、反対票はなく(前回は2票)全会一致での決定となりました。

ドル円相場はNY時間午前までは米長期金利の上昇で買われましたが、FOMC後の金利低下局面ではやや反落しました。しかし今日の日経平均が上昇したことで、米長期金利はやや低下したままながら昨日の高値圏まで上昇しています。110円台を回復するまでは底打ちした、とは言い切れませんが、一旦下落の動きは止まった可能性が高いと考えられます。

雇用統計待ちで一旦様子見

ドル円、ユーロ円とも買い目線で押し目を待ちたいと考えますが、明日に米雇用統計の発表もあることから、今日は様子見とします。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。