先週(2/5〜2/9)の東京為替市場で円は反騰、東京インターバンク間の17時のドル円レートは前週末比62銭円高の109円16銭で終えた。

先週のドル円の東京市場でのレンジは108円46銭から110円29銭とレンジ内での動きで変動率は1.7%程度だった。NYダウが2万3360ドルから2万5520ドルまで8.5%、日経平均が2万1078円から2万2967円まで9.0%の歴史的な変動率だったのと比べると、今回のリスクオフは債券と株式が中心で為替はノーイベントに近かった。

それでも、9日にNYダウが一時500ドル安と6日の安値を下回ったことで、有事の円高が進みNY為替市場で108円05銭と17年9月のトランプショック以来の円高をつけた。もっとも、9日のダウが引けで330ドルのプラスに転じたため、ドル円もNY為替市場では108円85銭まで80銭戻して引けた。

株安のきっかけとなった米長期債利回りの上昇は、8日には一時2.88%まで14年1月以来4年ぶりの高水準に達した。今回のドル円の動きは、ほとんどが債券と株の下落にともなう動きであり、為替が先導したわけではない。有事の円高ではあるが、米長期債利回りの上昇は日米金利差拡大で長期では円安要因になるため、一方的な円高にはならなかった可能性が高い。NYダウ、日経平均の乱高下が落ち着けば、日米金利差拡大から円安トレンドに戻ると見ている。

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先週(2/5〜2/9)の振り返り

為替展望
(画像=PIXTA)

5日の東京為替市場で円は3日続落、17時のドル円レートは前日比13銭円安の109円91銭だった。2日の米1月雇用統計で平均時給が前年同期比2.9%増と09年以来の高い伸びとなり米長期債利回りは2.85%に上昇した。日米金利差拡大から円が売られ、黒田日銀総裁が午後の衆院予算委員会で金融緩和継続を強調したため円は一時110円29銭まで売られる局面もあった。ただ日経平均が592円と下げたため円高となり、円は下げ幅を縮小して引けた。

6日の東京為替市場で円は4日ぶりに反発、17時のドル円レートは前日比88銭円高の109円03銭だった。世界株安でリスクオンの円買いとなった。日経平均が1600円安と急落した局面では一時108円46銭と17年9月11日以来の円高水準を付けた。

7日の東京為替市場で円は小幅反落、17時のドル円レートは前日比2銭円安の109円05銭だった。NYダウが567ドル高と反発。日本株もリバウンド狙いの買いが集中して始まり一時700円高まで上げたため、午前中は109円台後半だったが、時間外でNYダウ先物が下げ幅を広め日経平均が上げ幅をほとんど縮小するとドル円も一時108円97銭と109円を割り込んだ。

8日の東京為替市場で円は続落、17時のドル円レートは前日比49銭円安の109円54銭だった。海外市場が落ち着きはじめた。東京時間でもNYダウ先物の夜間がプラスに転じ、日経平均が245円高と続伸。ドル円にも買い戻しが先行し一時109円78銭をつけた。

9日の東京為替市場で円は3日ぶりに反発、17時のドル円レートは前日比38銭円高の109円16銭だった。NYダウが再び1000ドルを超える下落。日本株もギャップダウンして始まり、ドル円も朝方は一時108円50銭の円高を付けた。午後に日経平均が下げ渋るとドルに買い戻しが入り始めた。

先週の海外市場を振り返る

9日の海外市場は株式市場の乱高下が続いた。NYダウは一時500ドル安まであって引けは330ドル高の2万4190ドルで引けた。ザラ場で一時2万3360ドルと6日のザラ場安値を下回り年初来安値を更新したが、引けでプラスに転じたことで、相場の底打ちと言われる「たくり足」という下ひげの長い陽線のチャートがでている。週間では1330ドル(5.2%)安と2週連続で1000ドルを上回る下げとなった。1月26日高値の2万6616ドルから2月9日のザラ場安値までの下げ率は12.2%となった。10%を上回る下げは調整局面と言われ、NYダウの調整局面は16年1月以来。

米長期債利回りは8日に一時2.88%と14年以来の水準にまで達したが9日は2.85%とやや落ち着いた。VIX指数は29.06と前日比4.40(13.2%)安と7日の37からは落ち着き始めたがまだ危険領域とされる20を上回っている。ドル円のNY為替市場での引けは108円85銭と前日比5円円安。NYダウが一時6日の安値を下回り、リスクオフの円高で一時108円05銭と17年9月のトランプショック以来の円高をつけた。その後ダウがプラスに転じると円は反落し始めた。9日の東京為替市場の17時のドル円の109円16銭に比べると31銭の円高だが、円は高値からは80銭戻した。

今週(2/5〜9)の為替展望

今週のドル円の予想レンジは108円05銭から109円74銭のレンジを想定している。今週も焦点はファンダメンタルズよりも、米債と米株次第だろう。9日のNYダウの500ドル安から330ドル高のたくり足の引けで一旦底打ち機運となるならば、日米金利差拡大からドルもリバウンドし、円安トライとなる可能性が高いだろう。

サポートは9日のNY市場でのドル円の安値108円05銭。レジスタンスは20日移動平均の109円74銭。これをブレークすれば2月2日のドルの戻り高値110円48銭が次のターゲット。

今週のイベントは、日本ではほとんど重要なイベントはない。世界では3日でイエレンFRB議長任期満了。パウエル議長が4日に就任。8日に米中央銀行金融政策発表、9日に第23回冬季オリンピック平昌大会開幕。先週に比べれば大きなイベントは少ない。

今週の経済指標は、日本では6日に車名別新車販売台数、7日に景気動向指数、勤労統計、8日に対外対内証券売買、景気ウォッチャー、国際収支、都心オフィス空室率、9日にマネーストックがある。海外では5日の米ISM非製造業景況指数、6日に米貿易収支、8日中国貿易収支、9日に中国消費者、生産者物価指数がある。

平田和生(ひらたかずお
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。