昨日の海外時間には、発表された米・1月消費者物価指数が予想よりも強い結果だったことから米長期金利が上昇する中、NYダウが4連騰となったことからリスク選好の動きでドル売り、円売りが優勢となりましたが、ドル円は安値を更新しています。
今後の見通し
昨日のNY市場では、米長期金利が上昇する中NYダウも上昇して253ドル高で引けました。またユーロ円などのクロス円と原油相場やビットコインなども上昇してリスク選好の展開となりました。さらにVIX指数は先週月曜日に急騰して以来最低の19台まで低下していて、本格的に市場が安定を取り戻しつつあります。そんな中ですが円売りはまだ限定的となっていて、ドル円は安値を模索している段階です。
このまま日経平均が22000円台を回復すれば円買いの流れが一旦止まると考えられますが、まだ市場は円売りに向かっているとは言えず、日経平均が再度軟調となれば105円台入りの可能性を残していますが、今晩もNYダウが上昇するようであれば円買いの流れが終わる可能性もあります。
ドル円ショート
昨日は107.70円付近での戻り売り戦略でしたが、執筆時点(午前11前後)後ドル円が下げ幅を拡大したことから戻り売りの目途を14日海外時間安値付近の107.40円付近に変更し、夕方に成立しました。引き続き保有中ですが、損切りラインを107.00円に変更した上。105円台での利食いを狙います。
昨日の市場動向
欧州時間、株価と米長期金利が堅調に推移したことからドル買いが優勢となってドル円は107.50円台まで上昇し、ユーロドルは1.2340付近まで下落しました。
NY時間にはいって、発表された米・1月消費者物価指数が予想よりも強い結果だったことから米長期金利が上昇し、各国株価が急落する中最初はドル買いが強まって、ドル円は107.50円台まで上昇し、ユーロドルは1.2270台まで、リスク回避でユーロ円は131.60円付近まで下落しました。しかし米長期金利の上昇が続く中、各国株価が反発すると、リスク選好の流れでドル売りが優勢となって、ユーロドルは1.2460台まで、ユーロ円は133.30円台まで上昇しました。この間ドル円は106.70円台まで下落したあと107.10円台まで戻し、その後は107.00円を中心としたもみ合いとなりました。
東京時間朝方、日経平均が寄り付きの上昇幅を縮めると円買いが優勢となりましたが、日経平均が反発して円が売り戻されました。その後麻生財務相が「特別に介入しなければいけないほど急激な円高ではない」と述べたことから一時円買いが強まりました。
FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは83%まで上昇しています。
今日の予定
今日の海外時間には、独ユーロ圏・12月貿易収支、米・1月生産者物価指数、米・1月フィラデルフィア連銀景況指数、米・新規失業保険申請件数、米・2月NY連銀製造業景気指数、米・1月鉱工業生産/設備稼働率、米・12月対米証券投資収支の発表があるほか、メルシュ・ECB専務理事、プラート・ECB専務理事の講演が予定されています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。