日経平均予想レンジ21,410~22,149円

伊藤嘉洋,株式相場見通し
(画像=PIXTA)

今週は、米国市場が休場で手掛かり難の中、日経平均は先週からの3連騰で1,000円近く上昇した反動に加え、FOMCの議事要旨を受けた米国株続落の流れを引き継ぎ、週後半は利益確定売りに抑えられた。

海外の焦点

米国では、21日のFOMC議事要旨で追加利上げに前向きな姿勢が示され、4年ぶり水準となる長期金利上昇が嫌気され、NYダウの自律反発に一巡感が台頭している。2/9安値から2/16高値まで2,000ドル超反発し、1/26高値26,616ドルからの下げ幅の63.6%戻しを達成した。

トランプ政権の拡張的な財政政策による国債増発懸念が強い中、市場では「FRBの利上げペースをはじめ長期金利の先行き不透明感が強く、しばらくはインフレ関連指標が主な材料となり、株価も不安定な動きが続く」との見方が広がっている。テクニカル面では25日線25,425ドルと75日線24,716ドルとの間でのレンジ相場が想定される。

国内の焦点

投資主体者別売買動向では、外国人は1月現物、先物合計で2.4兆円売り越した。個人は現物を3,876億円売り越す一方、信用では4,225億円買い越した。直近の信用残高は4週連続増加を挟み、3.35兆円に膨らんだ。10月からの平均買いコストは23,000円付近と見られるだけに、ここに接近する戻り相場では、売り圧力は強まりやすいと見なければならない。

外国人は2月1、2週で2.35兆円売り越し、2/14安値20,950円への売りを主導した。しかし、個人は急落過程で1,644億円の売り方の買戻しが見られた上、先週末のリバウンド相場時まで、1.28兆円買い越した行動には注目したい。出遅れていた国内投資家は良好な決算発表による割安感の台頭で、買いの手を強めてきた可能性が指摘される。需給面からは海外勢売りに対して、国内勢復活の公算は大きいと捉えている。

日経平均は売られ過ぎによる自律反発で、2/14安値から週初まで37.7%上昇した。テクニカル面からはフィボナッチ比率38.2%戻しの22,164円を射程に捉え、底入れ感の兆候が窺える。これを上抜けることができれば、半値戻り水準22,540円が次の節目として意識される。ただ、今週は25日、75日線とのデッドクロス形成で、自律反発一巡から2/14安値から2/19戻り高値の半値押し水準21,550円付近で踏みとどまるかがポイントとなる。下回ると200日線21,127円への調整が警戒される。

来週の株式相場

以上、来週はパウエルFRB議長の議会証言を控え、経済、金融情勢の見解表明に注目が集まる中、円高一服を支えに3月期末配当取りを狙う国内勢の盛り上がりが期待される。日経平均のレンジは、上値は2/19終値22,149円が意識され、下値は今回自律反発の61.8%押しの21,410円が目処となろう。

伊藤嘉洋,株式相場見通し
(画像=岡三オンライン証券)

伊藤嘉洋
岡三オンライン証券 チーフストラテジスト