先週(2/19〜2/23)の東京為替市場で円は3週間ぶりに反落、東京インターバンク間の17時のドル円レートは前週末比1円01銭円安の107円03銭で終えた。

週間ではドル円は1円を超える円安とはなったが、16日に米長期金利の上昇でドル円は106円割れでロスカットがトリガーされ一時105円55銭と16年11月のトランプショック時以来の円高をつけた反動だ。週間を通じてのドル円のレンジは106円10銭から107円90銭とボラティリティがあるようで、結局は107円を中心として方向感がでない展開だった。

方向感が出ない動きはFRB議長がパウエル氏に替わったため、市場が金融政策の流れを読みかねているからではないだろうか?

今週はパウエル新議長が就任後初の議会証言を下院で28日、上院で1日に行う。パウエル氏が現在の市場をどのように見ていて、今後の利上げをどのようなスタンスで望むのかに焦点が集まる。利上げにタカ派ならば長期債利回りは一段の上昇で節目として意識される3%につっかける可能性が高いだろう。一方、ハト派であれば金利は落ち着きドル高・円安に転じる可能性があると見ている。

先週(2/19〜2/23)の振り返り

為替展望
(画像=PIXTA)

19日の東京為替市場で円は反落、東京時間17時のドル円レートは前日比55銭円の106円57銭だった。

16日にはNYダウが6連騰、週間では過去最高の上げを演じ、下げ幅の半値戻しを達成した。ドル円も一時105円55銭の円高をつけた後に106円台に戻したため、リスクオンで日経平均が428円高となり、円も売りが広がった。

20日の東京為替市場で円は続落、東京時間17時のドル円レートは前日比41銭円安の106円98銭だった。

連休明けの米国市場で株が7日ぶりの下げに転じた。日本株もリスクオフで224円安と反落した。22日にFOMCの議事要旨の発表を控え方向感がでてこない。

21日の東京為替市場で円は3日続落、東京時間17時のドル円レートは前日比80銭円安の107円78銭高だった。

米国株が2番底探りの下げから切り返してきたため、日経平均も朝方一時200円を超す上げとなり、ドル円は一時107円90銭まで買われた。ただ、ドルの戻しもそこまで。FOMCの議事要旨を控え膠着した。

22日の東京為替市場で円は4日ぶりに反発、東京時間17時のドル円レートは前日比30銭円高の107円48銭だった。

注目の1月のFOMC議事要旨録では、一部にインフレを懸念する意見もあったが、金利上昇を継続するとの意見が大半だった。議事要旨公開後、米長期債利回りが一時2.95%と14年1月以来の水準まで上昇し、300ドル高まで上げていたNYダウはマイナスレンジまで売られた。日本株も先物主導の下げで234円安。有事の円高が進んだ。

23日の東京為替市場で円は続伸、東京時間17時のドル円レートは前日比55銭円高の107円03銭だった。米長期債利回りが低下しNYダウは3日ぶりに反発した。日本株にも買い安心感から買いが先行して日経平均は156円高となったが、ドル円は日米金利差の縮小懸念でドル売りの反応となり、円は一時106円66銭まで買われた。

先週の海外市場を振り返る

23日の米国株は続伸、23日のNYダウは前日比347ドル(1.4%)高の2万5309ドルだった。2万5000ドル台回復は2月16日以来。米長期債利回りとVIX指数がともに下落し市場心理が改善、週間では90ドル高と2週連続の上昇となった。基本的にはリスクオンの市場に戻し始めた。

NY為替市場は106円95銭で商いを終えた。前日比では15円の円安。東京に17時時点でのドル円レートからは8銭の小幅円高でなかなか107円台は定着しない。株の戻りに対し、ドルの戻りは限定的だった。

21日に2.95%まで上昇した米長期債利回りは2.8%台まで低下した。VIX指数は16.49と2月1日の水準にまで低下しており、パニック的な状態は完全に脱しつつあるだろう。

日経平均の夜間取引は、2万2030円と23日の大阪引け比120円高で2万2000円を回復している。

今週(2/26〜3/2)の為替展望

今週のドル円の予想レンジは105円55銭から108円16銭のレンジを想定している。今週も焦点はファンダメンタルズよりも、米債と米株の外部要因で動くことになるだろう。そういった意味で、28日と1日のパウエルFRB議長の議会証言に注目が集まる。

ドルのサポートは16日安値の105円55銭。レジスタンスは20日移動平均線の108円16銭あたりだろう。

今週のイベントは、日本では27日に2年国債入札、1日に10年国債入札がある。28日には東京オリンピックのマスコット発表がある。海外では28日にパウエルFRB議長の議会証言(下院)、1日に同議会証言(上院)が最大のイベント。28日にはバルセロナでモバイル・ワールド・コングレスという携帯電話の見本市がある。

今週の経済指標は、日本では28日に鉱工業生産、1日に法人企業統計、消費動向調査、自動車販売、2日には失業率、家計調査、マネタリーベースがある。海外では26日に米新築住宅販売、米シカゴ連銀全米活動指数、27日にCB消費者信頼感指数、米耐久財受注、S&P・CS住宅価格指数、28日に中国製造業PMI、米17年4QGDP改正値、米シカゴ購買部景気指数、1日に米ISM製造業景況指数、米新車販売、米マークイットPMI、2日に米ミシガン大学消費者信頼感指数がある。

平田和生(ひらたかずお
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。