2017年1月からは「iDeCo」が、2018年1月からは「つみたてNISA」が始まり、若年層を中心に加入者が増えているという。そして、解説記事を読んでも、セミナーに行っても、強く主張されているのが「分散投資」の重要性だ。

分散投資には、大きく分けて3つの意味がある。買い付け時期をずらす「時間分散」、株式と債券など異なる資産を保有する「資産分散」、日本と米国など地域をばらけさせる「地域分散」だ。この世の正義と言わんばかりに持ち上げられる分散投資だが、デメリットはないのだろうか。今回は、あえて分散投資のデメリットについて考えてみたい。

分散投資,デメリット,集中投資
(画像=PIXTA)

(1)資産の殖え方が遅い

集中投資に比べて資産の殖え方が遅くなる可能性がある。もちろん相場観が的中することが前提であるが、大きく伸びる銘柄に集中投資していた場合と、日経平均のインデックスに分散投資していた場合は、獲得パフォーマンスが大きく異なるだろう。

(2)コストがかかる

多くの金融商品は売買手数料がかかる。そして、動かす金額が大きければ大きいほど、売買手数料の割引率も大きくなることが一般的だ。A株を10万円買い付けするときは、売買手数料が1%かかるが、1億円の買い付けならば0.5%で済む、といった具合だ(詳細は金融機関によって異なる)。従って、少額を定期的に買い付けする方法は、買い付け総額を一気に購入したときと比べて、割高な手数料を支払っている可能性がある。特に「毎月10銘柄を5,000円ずつ積み立てている」など、複数の資産を定期的に少額購入している場合は注意が必要だ。

(3)管理に手間がかかる

管理に手間がかかりやすいこともデメリットと言えるだろう。3銘柄に集中投資している場合に比べて、50銘柄に分散投資しているほうが、管理に時間も労力もかかる。定期積み立てを行っている場合は、引き落としが問題なく行われているか、残金は足りているかなど買い付け原資の動向にも気を配らないといけない。

(4)成績が世界景気に左右される

多くの資産や地域に分散していればいるほど、運用成績は世界景気に左右されやすい。ということは、世界が景気後退期に陥ったときは、運用成績も悪くなりやすいということだ。景気後退期(金融マーケットの下落相場時)であっても、独自のビジネスモデルで業績を拡大する企業や、成長を続ける地域に集中投資できていれば、世界的な景気後退を尻目に良好な運用パフォーマンスをあげることができるかもしれない。

デメリットを理解したうえで運用方法を選ぶ

決して分散投資を否定するわけではない。上記のデメリットは、分散投資ならではのメリットとも言える。特に一般的なサラリーマン(給与所得者)にとって、分散投資は強い味方だ。重要なことは、分散投資を実践するとしても、そのデメリットを理解して実践できているかということだ。

ある程度のキャッシュを手元にある人は、集中投資と分散投資を掛け合わせてもいいだろう。例えば、有望だと思った2〜3銘柄には多く資金を振り向けて、残りの資金を資産分散と地域分散する。それらに加えて時間分散も行う選択肢もある。

反対に、大きな元手がない人に集中投資は難しい。そのような人は、貴重なキャッシュフローを分散投資に回して、少しずつでもお金に働いてもらい、同時並行で自身のインカム(多くの人は給与収入だろう)を上げる努力を怠らないようにしたいものだ。(ZUU online 編集部)