世界トップクラスの超名門校であるハーバード大学。彼らは、学業だけではなく、資産運用の面でも驚異の運用成績をあげる超一流の投資家であることをご存知だろうか。今回はそんなアイビーリーグのお金の哲学について紹介する。

ハーバード大学,エンダウメント運用
(画像=Shutterstock/ Jon Bilous)

機関投資家界のウォーレン・バフェット?

ハーバード大学が超一流の投資家であることを客観的に示すデータがある。2015年にアメリカのDALBAR社が行った投資家行動の定量分析によると、株式投資に対するリターンは20年間で4.67%であるとされているが、ハーバード大学は過去20年に渡り、年平均2桁リターンを叩き出している。毎年10%以上の運用益ということであり、個人投資家の方であれば、これがどれだけすごい数字であるかが理解できるだろう。

個人投資家がウォーレン・バフェット氏を「投資の神様」と崇めるように、機関投資家の中で、ハーバード大学はカリスマ的存在だ。それでは、アイビーリーグきっての名門は、どのような資産運用を行っているのだろうか。彼らの運用方法は「エンダウメント運用」と呼ばれている。

エンダウメント運用の特徴

エンダウメントとは、寄付金で設立された米国の財団や基金のことだ。通常、機関投資家が行っている投資の資金源は個人投資家や保険加入者のお金だが、ハーバード大学をはじめとする米国大学の場合、卒業生による寄付金の運用が行われている。寄付の場合、返済義務がないため、一般的な機関投資家と異なる視点や時間軸で運用できるというメリットがある。

エンダウメント自体は1970年代より存在し、「株6割・債券4割」で運用が行われていたが、1990年代にイェール大学に就任したデイビット・スウェン氏によって現在のエンダウメントモデルが作られたといわれている。では特徴について見ていこう。大きく分けて4つの特徴がある。

(1)長期での投資
エンダウメントでは返済義務のない寄付金が元手になっていることから、10年、20年先を見据えた投資が実行される。そのため、短期的な相場変動に慌てる必要がなかったり、短期間では投資できない案件に投資できたりするなどのメリットがある。

(2)分散投資の徹底
投資の基本である分散投資を徹底している。一人の凄腕ファンドマネージャーの相場観で切り盛りするのではなく、事前に資産クラスの組み入れパーセンテージを決めており、機械的に運用している。

(3)オルタナティブ投資の積極的な活用
オルタナティブ投資とは、株式や債券などの伝統的資産ではなく、農作物や不動産など新しい投資対象や手法に投資することを指している。オルタナティブ投資を積極的に活用することで、株式や債券だけでは効果を発揮しづらかった分散投資の効果を十分に活用できる。

(4)外部の運用会社を使う
投資には高い専門性が必要である。そのため、実際の運用は、委託先のプロに任せてしまう。基本的には資産クラスごとに運用委託先を変えているが、ハーバード大学と双璧をなすアイビーリーグの名門・イェール大学の場合、運用委託先との平均取引期間はすでに20年近いようだ。

個人投資家も応用できる

これらハーバード大学の運用哲学は、個人投資家も応用できる。もちろん、規模や運用技術は全く異なるだろうが、エンダウメント運用の最大の特徴とも言える「返済義務のないお金で運用できる」ことは、個人投資家も同様だ。一般的にプロと呼ばれる機関投資家は、決算を意識して、やむをえず非合理的な売買をするケースもある。

誰からも返済要求をされない資金で運用することは、実はとても大きなメリットなのである。そして、徹底した分散投資と専門家への委託を行う。ハーバード大学のお金の哲学を愚直に真似していけば、あなたも驚異的な運用成績を叩き出すことができるかもしれない。(ZUU online 編集部)