毎年やってくるこの季節は花粉が宙を舞い、憂鬱な気分になっている人も多いのではないだろうか。マスクにゴーグルと完全防備している人も見受けられるようになったが、富裕層向けはどのような花粉症対策を行っているのだろうか。ハイアットリージェンシー東京では1回3万円の花粉対策スパを提供しているそうだ。どのようなサービスか探りつつ、富裕層の自己投資の考え方を読み解いていく。

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(画像= UfaBizPhoto / Shutterstock.com)

花粉症で能率は30%低下?

花粉症とは縁のない人にとっては、その他の重病に比べて「一過性のもので病気と呼ぶほどの、大したものではない」というイメージを持っているかもしれない。だが、花粉症に苦しんでいる人にとっては、毎年やってくる花粉症のシーズンは憂鬱なものだ。

ビジネスマン、特に重要な判断が求められるビジネスオーナーや投資家にとって、花粉症は能率低下を招く畏怖の対象である。花粉症が労働に与える影響を研究している大阪大学名誉教授の荻野敏氏によると「花粉が飛ぶ時期に行ったアンケート調査によると、就労者の能率低下率は平均30%を超えていた」という。

花粉が東日本や西日本を舞うのは毎年2月下旬から3月頃にかけてであり、多くの企業では期末前後の慌ただしい時期だ。いわば企業活動の鉄火場のタイミングで、能率低下を招く花粉症は富裕層にとっては脅威だ。

高級ホテルの花粉症対策スパ

高級ホテルとして名高いハイアットリージェンシー東京では、花粉症の悩みを解消するため「花粉すっきりスパプラン」を提供している。この時期の不快感をリフレッシュするためのスペシャルパッケージで、オリジナルのブレンドオイルを使用し、全身をしっかりトリートメント。さらにアイトリートメントまたはヘッドトリートメントのいずれかを選び、目元や頭部にもアプローチする。

パッケージにはオリジナル酵素ドリンク1本(500ml)が付いている。所要時間は約75分という。また、スパ利用日はホテル内にあるプール・フィットネスジムを無料で利用できる。気になるお値段は税込29,700円だ。


富裕層の高い時間価値

富裕層は効率的に稼ぐことが得意だ。効率的に稼げるからこそ富裕層になったともいえる。従って、富裕層にとって時間価値はとても高い。お金持ちほど時給思考といわれるが、それは時間に対する考え方が研ぎ澄まされているためだろう。

もし花粉症に悩まされて、日々の生産性や効率が落ちてしまうとどうだろうか。生産性や効率はなかなか数字に落とし込んで可視化できるものではないが、どちらにせよ時間価値(時給)が高い富裕層にとって見過ごすことはできない。それを3万円でリスクヘッジできるとすれば、高い買い物ではないという判断になるだろう。

これは富裕層のみならず、一般人でも応用できる考え方だ。例えば、忙しいときや疲れているときはタクシーで移動する。食事は出前や外食を活用する。家事はハウスキーピングに依頼する。お金を払って他者にアウトソースし、自分の時間を空け、空いた時間でより生産的なことに集中するわけだ。

企業がM&A(他社を買収するケース)を行うメリットとして、買収先が持っている販路やノウハウを1日にして手に入れることが挙げる識者も多い。このような「時間をお金で買う」「時間を買うのに払ったコスト以上のリターンを得る」感覚が研ぎ澄まされているのが富裕層という人種だろう。(黒坂岳央、高級フルーツギフトショップ「水菓子肥後庵」代表)