富裕層の「人生投資戦略」

富裕層はなぜ読書で自己投資するのか

【第1回】【第2回】では富裕層が仕組みを作って収益を効率化することや、見た目に投資してビジネスパートナーから印象を良くし、その結果仕事につなげる、といったことを解説してきた。

いずれにしても、費用対効果の高い部分に投資し、掛ける労力や時間に対してより大きなメリットを享受している。では、富裕層はなぜ読書で自己投資するのだろうか。富裕層の行動なのだから、何か大きなメリットがあるはずだ。

【第3回】では富裕層が読書で自己投資する理由について考察していく。

富裕層・貧困層の差は読書の趣向にも表れる?

トーマス・コーリー氏は2004〜07年にかけて、富裕層233人と貧困層128人を取材した 。そのうち177人は一代で100万ドル以上の資産を築いたセルフメイド・ミリオネアで、59%は中所得家庭、41%は低所得家庭で育った。

調査の対象年齢は42〜85歳で、60%が60歳以上。富裕層のうち214人は男性、14人は女性、貧困層のうち114人は男性、14人は女性という割合だ。

富裕層の定義は年収16万ドル・純資産320万ドル以上、貧困層の定義は年収3.5万ドル・流動資産5000ドル以下とされている(リッチハビッツ2016年6月17日付記事)。

コリー氏は調査の結果、2つのグループの差が所得や純資産額だけではなく、読書の趣向にも顕著に表れることに気が付いた。特に自ら財を築いたセルフメイド・ミリオネアの68%が、ほかの成功者の自伝を読むことを習慣に取りいれているのに対し、貧困層の91%には同様の習慣がないのだ。

成功者は失敗に隠されたメッセージを読み解く