「人は見た目では判断できない。大事なのは中身だ!」確かにその通りだ。見た目がきちんとしていても、心まで誠実であるという保証はないし、逆に見た目がだらしなくても中身は誠実という人もいるだろう。

しかし、これはあくまで「理屈の上では」だ。社会では見た目でその人の内面や性格まで判断されてしまう、これこそが事実なのである。富裕層はこの現実をよく理解しており、「人を見た目で判断するな」と異を唱える代わりに、見た目を整えるためにお金を使うのだ。

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(画像=kiuikson / Shutterstock.com)

初対面の相手を判断する時間はわずか30秒間

初対面の人を判断するのに要する時間はたったの30秒、という調査結果がある。そしてその30秒間の大部分を占めるのは、話の内容や話し方ではなく、見た目というのである。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の心理学名誉教授の提唱する「メラビアンの法則」によると、話の内容は7%、口調や話す速度は38%、見た目や表情が55%を占めるのだという。肝心の話の内容が10%以下という驚愕の結果である。

つまり、最初の30秒間で「目の前の人間は時間や労力を使うに足る価値がある」と相手に思わせるためには、話の内容を磨く以上に、まずは見た目を整えることがもっとも投資効率が良いということになる。

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「足元を見る」の本当の意味

「メラビアンの法則」はアメリカでの研究の結果生み出された法則だが、日本でも「足元を見る」という言葉がある。今では「相手の弱みにつけこむ」というネガティブな意味で使われているが、元々の由来は宿に訪れた宿泊客の足元を見て疲れ具合を見抜き、料金を決めていたという事に由来する。

世の中にはお金がないが、ブランドが大好きという人がいる。彼らはブランドバッグや、高級車など一点豪華主義であり、足元まで意識が行き届かないことがほとんどだ。つまり見た目が行き届いていないということだ。いくら口で富裕層を繕っていても、足元という見た目に本当の経済力が出てしまうというわけだ。

お金持ちは見た目に投資をする

筆者の知人に何人か富裕層がいる。資産が生み出すキャッシュフローだけで生活をする人、ビジネスで年商数十億の社長業を営む人など、様々だが見た目を整える行動は驚くほど共通していることに気づいた。

まずはファッション。彼らはビジネス形態の違いに関係なく、ファッションをパーソナルスタイリストにおまかせして自分では服を選ばない。おしゃれな服を着るのではなく、自分に合う服を選ぶ客観性を持つことは難しいためだ。

そして、彼らは例外なく運動をしている。みっともないお腹を見せている人は一人もおらず、朝は早くから起きてジムに通ってから仕事に取り掛かる。そして、適度に香水を吹きかけていい匂いを身にまとう。

また、注目するべきは時計と靴にはかなりの投資をしているということだ。100万円以下の時計をしている人は皆無で、彼らはいつでもピカピカに磨かれた高級靴を履いている。ジャケットやパンツ以上に時計と靴にはお金をかけているように見えることが不思議に思い、筆者は一度「なぜ時計や靴に投資をするのか?」と尋ねたことがある。その時に返ってきた答えが「自分は相手の時計と靴が気になってしまう。相手からも見られているだろうから」というものだった。

見た目で値踏みされているという現実

見た目で相手を値踏みすることは、道徳的に納得がいかなくても事実それで社会やビジネスは動いている。特に見た目を整える人ほど、相手の見た目を見ており、自分も見られる対象であることを理解している。大きなルールに反逆しても、ビジネスチャンスを失うだけだ。富裕層はそのルールをしっかりと理解し、見た目に投資をしているのである。(黒坂岳央、高級フルーツギフトショップ「水菓子肥後庵」代表)

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