「もし株を買うならどんな株を買うか」という問いがあったなら、多くの人が「これから上がる株を買う」と答えるだろう。

多くの投資家は、配当や株主優待以上に株価の値上がりによる利益を得ようとして虎の子の資金を投入するはずである。

ただ、どのタイミングで株を買えば良いかをわかっていない人は意外と多いもので、中には安くなっている(株価が下がっている)株をお買い得だと勘違いして買ってしまう人もいる。実際には株価が下がっている株を買うのはお買い得とは言えず、損失拡大への入り口であることもしばしばあるのが実情だ。

ここでは下がっている株を買う逆張り投資の危険性について解説していきたい。

株の投資の仕方 大きく分けるとこの2つ

投資,株式投資
(画像=palidachan / Shutterstock.com)

値上がりする株を狙って株を買う場合には、大別すると以下の2つの方法がある。

**1. 上昇している株がこれからもあがると考えて投資する(順張り投資)

  1. 下落している株が今後は上がり始めると考えて投資する(逆張り投資)
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順張り投資は、業績が好調かつ魅力ある事業内容で株価も右肩あがりの銘柄を選んで投資するわけで、特に株の初心者にとっては入りやすい投資の方法だと言える。

一方逆張り投資は、業績不調や事業が飽和状態にあるなどなんらかの理由があって株価が下げ続けている銘柄が、今後は株価が反転して上げ始めると考えて投資をするもので、こちらはやや玄人向けの方法だといえる。

こればかりは投資家の好みの問題でもあるのだが、株価が安くなっているように見える逆張りには個人投資家をひきつける魅力があるようだ。

順張りにはない逆張り投資の魅力

逆張り投資は下げていた分の値幅とその後の上昇の値幅を合計した分の利益を狙えるという点では非常に魅力的な投資の方法だ。

その点では、上昇途中の株を買ってその後さらに株価が上がったところで株を売る順張りは逆張りに比べると利益の幅が少なくなってしまうのも無理はない。

特に大きく値上がりしている株を買う際には、いつ下げが始まるかはわからないので、ある程度利益が出たタイミングで株を手放す決意をすることも大事になる。その点、底で株を拾ったという確信があれば、その後は悠々自適に株を持っていられるのも逆張り投資の魅力である。

しかし、実際に下がる株を大底で拾うのは難しいテクニックを必要とするものなのだ。

下がっている株を買うことは本来であれば危険

逆張り投資においては自分の思い込みによる判断はしないほうが吉であることが多い。

例えば、数ヶ月前に1000円だった株価が今、500円になっている。半値になっているのでお買い得と考えて株を選ぶことを「値ごろ感」というが、株価の値ごろ感で投資を成功させるにはそれなりに経験が必要である。同時に、判断が間違っていた場合には損切りをそつなくこなすことのできる決断力も必要である。

逆張りは下げ続ける株価を押し上げるだけの要素が必要であり、そのためにはインパクトのあるニュース(IR)が必要である。それは例えば、業績赤字からの脱却、大手企業との事業提携、監理銘柄の解除などである。

そのようなニュースは逆張りの契機となる可能性があるための、逆張り投資を試してみる価値がある。ただし、ニュースがあっても一過性の上昇となることもあり、その後下落が続くこともあるため注意深く株価を見守る必要がある。

逆張りに近い投資方法「押し目買い」は効果的

逆張りに近い手法である押し目買いは、初心者にもお勧めできる方法である。

押し目買いとは、上昇している株式が一時的に下がるタイミングで株を買うことである。上昇トレンドにある天井で株を買うわけではないので、仮に失敗しても傷が浅くすむという利点もある。

ちなみに押し目買いには25日移動平均線に触れるタイミングで株を買う、上昇の開始と上昇の終わりの合計の半分の株価(いわゆる半値押し)で株を買うタイミングという典型的な押し目買いポイントが存在する。比較的、成功しやすい投資の方法といえるので試してみても良いだろう。

逆張りは流れに反する行為であることを認識すべし

逆張りも押し目買いもどちらも株価の流れに反する行為であることに注意しよう。

流れに乗るよりも流れの変化をとらえる方が難しいものだ。もしその流れの変化をとらえて株を買ったとしても、流れに変化が起きずに波に飲まれそうになった場合には、いったん波から離脱する決意も必要だ。逆張り投資成功の糸口となっていただければ幸いだ。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動中。日経BP社「日本の億万投資家名鑑」でも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。メディア掲載多数。