政府の働き方改革を受けて、会社勤務の労働者に副業や兼業を容認する動きが広がっています。「副業をやってみたいけれど、自分には何ができるだろうか」と考え始めている人も少なくないでしょう。今回は、副業を開始するうえでの考え方や注意点をまとめます。

サラリーマンの副業が一般化する時代へ

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(写真=Rido/Shutterstock.com)

2017年になって、「サラリーマンの副業が容認される」というニュースを目にした人も多いのではないでしょうか。そもそも、国家公務員法や地方公務員法によって明確に営利企業への就職や自営業が禁止されている公務員をのぞき、会社勤めの人が業務外で行う副業を禁止する法律はありません。本来であれば、休日や平日の業務外の時間に副業を行うことは法律上問題ないはずです。

それなのになぜ副業が禁止されるケースがあるかというと、会社の就業規則で副業禁止が掲げられていることが多いためです。また、多くの企業の就業規則の参考になっているのが、厚生労働省の作成している「モデル就業規則」です。こちらで、「許可なくほかの会社等の業務に従事しないこと」と記載されていることを根拠として、多くの企業では就業規則に副業禁止をうたってきました。

しかし、政府の「働き方改革」の一環として、柔軟な働き方を推進するためにも副業・兼業を容認する流れがでてきました。その結果として、2018年1月に副業・兼業を条件付きで認める形でモデル就業規則が改正されたのです。

政府が働き方改革を掲げる限り、副業や兼業を容認・推奨する流れは止まらないと考えられます。統計によれば、勤労者世帯の可処分所得はこの10年ほとんど変化していません。副業や兼業が認められれば、それによって収入を増やしたいと考える人が増えるのは自然な流れかもしれません。サラリーマンの副業が一般化する時代が訪れる可能性があります。

本業をおろそかにしないこと

副業や兼業が容認されたからといって、何でも自由に始めてかまわないというわけではありません。改正されたモデル就業規則でも、以下の四点に該当する場合は「禁止又は制限できる」とされています。

・労務提供上の支障がある場合
・企業秘密が漏洩する場合
・会社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
・競業により、企業の利益を害する場合

つまり、本業をおろそかにしたり勤務している会社に害を与えたりしてはいけない、ということになります。出版社に勤務している人が副業として出版業を営んだり、夜間の副業で昼間の本業に集中できなかったりすると、会社から誤解を受けたりクビになったりするなど不利益を被るかもしれません。証券会社や不動産会社、資産運用会社などに勤務する人が投資家になるのも難しいでしょう。

副業や兼業を開始するのであれば、本業とはまったく別の業種で、できれば肉体的・精神的に負担の少ない仕事を選んだほうが良いでしょう。最初は多額の投資をせず、「スモールスタート」で成功体験を積み重ねることを目指します。月に3万円や5万円でも稼ぐことができたら、生活に余裕がでて自信もつくのではないでしょうか。

おすすめは細く長く資産運用

副業や兼業として始めやすいのは、やはり本業のスキルやノウハウを活かせるタイプでしょう。本業に害を与えないのであれば、個人の立場でも仕事を得やすいと考えられます。たとえば、プログラマーの人が休日に簡単なコーディング案件を引き受ける、というケースがわかりやすい例になります。

本業を活かせる副業が思いつかないのであれば、資産運用を始めるのがおすすめです。株式投資や不動産投資などは、最初の準備や初期設定さえ済ませて軌道に乗れば、配当金や家賃などの形で「不労所得」を得ることができます。もちろん元本割れのリスクもあるため、企業や物件を見極めることが必要にはなりますが、「本業に支障をきたさない」という条件に当てはまる副業の一つといえるでしょう。

資産運用が軌道に乗れば、キャッシュフローの余裕を活かしてさらに別の副業を始めるのも良いでしょう。複数の副業を並行に進めることができれば、もはや立派な「経営者」の仲間入りです。その意味で、副業や兼業を成功させるには、自分という「会社」の経営者であるという気概を持つことが必要なのかもしれません。(提供:Incomepress


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